洗濯をしたらお気に入りのセーターやニットが縮んでしまった...なんて経験ありませんか?
同じセーターやニットでも、素材によって縮む原因や対処方法は異なります。
今回は、「なぜ水に濡れると洋服が縮んでしまうのか」「縮む素材は何か」「縮んでしまった時の元に戻し方」について、素材別に詳しく解説します!
目次
- ウール・カシミヤのセーターが縮む原因
- ウール・カシミヤの縮みを元に戻す方法<トリートメント>
- レーヨン・ナイロン・ポリエステルのニットが縮む理由
- レーヨン・ナイロン・ポリエステルの縮みを元に戻す方法<スチームアイロン>
- 綿・麻のニットが縮む理由
- 綿・麻の縮みを元に戻す方法<柔軟剤>
- 縮みを起こさない洗濯のポイント<乾燥機NG>
- まとめ
1:ウール・カシミヤのセーターが縮む原因
ウールやカシミヤのセーターが縮むのは、「フェルト収縮(フェルト化)」と呼ばれる現象が原因です。
ウール(羊毛)やカシミヤ素材が水に濡れると、水分を発散させようとして生地の表面を覆っているキューティクルが開きます。この状態で強い摩擦やもみ作用がかかると、キューティクル同士が絡み合って縮みが発生するのです。
2:ウール・カシミヤの縮みを元に戻す方法<トリートメント>
縮みを元に戻すには、アモジメチコン(ジメチコン)というシリコン成分が含まれた「トリートメントコンディショナー(リンス)」を使うと良いでしょう。
縮んだウールやカシミヤは、毛髪がごわごわしているのと同じ状態です。繊維をコーティングし、表面をなめらかにする必要があります。
◎やり方
- まず、30℃以下のぬるま湯にトリートメントを溶かし、縮んだ衣服をつけて優しく引っ張りながら形を整えてください。
- そのまま30分程つけ置きしたら、軽く水を絞って大きめのタオルに挟んで乾かせします。強く揉んだり擦ったりすると毛同士が更に絡んでしまうので丁寧に扱ってださいね。
- 干すときは型崩れしないように、平干しで乾かしましょう。
★洗濯表示に洗濯機可のマークがあっても、お気に入りのアイテムはできるだけおしゃれ着用洗剤(DELICATE SOAP / おしゃれ着衣類用洗剤)で手洗いをしたり、クリーニング店へ持ち込むことを心がけてくださいね。
3:レーヨン・ナイロン・ポリエステルのニットが縮む理由
レーヨンはとても水に弱い素材。レーヨンの繊維は水を吸うと一気に膨張し、その過程で糸が大きく湾曲します。水が乾くと膨張は元に戻りますが、湾曲した糸の形状は戻らないため、本来のサイズより縮んだり、型崩れにつながるのです。この仕組みは「膨潤収縮」といいます。また、熱や摩擦に弱くシワになりやすい特徴もあります。
一度縮んでしまうと、元に戻すのは難しいレーヨン。水洗い不可の洗濯表示がついているものであれば、自宅での洗濯は避けクリーニング店へ持ち込みましょう。
同じ化学繊維であるポリエステルやナイロン、アクリルなどは比較的縮みにくいとされていますが、熱に弱く乾燥機の使用で変形する恐れがあります。
4:レーヨン・ナイロン・ポリエステルの縮みを元に戻す方法<スチームアイロン>
スチームの蒸気の熱をあてることで、縮みを改善できます。
◎やり方
- 服の片側を固定し、引っ張りながらスチームアイロンで熱を加えてあげましょう。服から1センチくらい浮かせてかけるのがポイント。数センチなら伸ばすことが可能です。
- シワ加工などが施されているものものは、洗濯をすると生地がシワのある方向に対して寄ってしまいます。干す時に生地を手で引っ張って、しっかりと伸ばしてから干しましょう。
5:綿・麻のニットが縮む理由
糸をピンと張った状態で織りあげられた布は、水を含むことで元に戻ろうとする力が働くため、縮みが起こります。
綿(コットン)の縮率は2〜3%ほど、麻(リネン)の縮率は5〜10%ほどあるため、水に濡れると縮んでしまうのです。
最も縮みやすいのが初めて洗濯をするときで、それ以降はそれほど縮むことはありません。
ただし、水通しを行っていない製品も多いため、自宅で洗濯した際に大きく縮んでしまうことも。また、乾燥機で乾燥させることによって、縮みが更に起こる可能性があります。
麻素材の洋服は、縮みを考慮し大きめに作られているケースもあるため、購入時はサイズ感を確認しましょう。
また、レーヨンやウールなど、縮みやすい素材と組み合わせてつくられた服は縮みが起きやすいことも。綿や麻以外にデリケートな繊維が使われていないか確認しておきましょう。
6:綿・麻の縮みを元に戻す方法<柔軟剤>
綿(コットンニット)や麻などの天然素材の縮みは、着ているうちに徐々に直っていくため、心配しなくてもOK。
すぐに直したい場合は、柔軟剤を使いましょう。繊維の表面をなめらかにして、繊維同士の絡みを軽減する効果があります。
<やり方>
- 30℃以下のぬるま湯に柔軟剤を少量入れて30分ほどつけ置きしてください。
- 軽くすすいだら優しく伸ばして干します。この時、力を入れすぎないように注意。生地は縦方向に伸びる力があるため、強く引っ張ると逆に伸びすぎてしまいます。
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<番外編>ジーンズと布団カバーの縮みを元に戻す方法
★ジーンズ
ウォッシュ加工が施されていないデニムは、かなり縮みやすいアイテムです。裾上げをする前に、一度自宅で洗濯すると◎。
スキニーデニムなどの肌に密着するものは、縮んでしまっても履いているうちに段々と伸びていきますよ。
ポリウレタン糸を使用しているストレッチ性のあるデニムには、スチームアイロンを使用しましょう。
★布団カバー
綿100%のものが多い布団や枕、クッションなどのカバー類。カバーによっては、縮率が記載してある場合もあるため参考にして購入すると良いでしょう。
縮んでしまった際は、スチームアイロンで熱を加えてあげるのがおすすめです。
7:縮みを起こさない洗濯のポイント<乾燥機NG>
縮んだ服を完全に元の形に戻すことは、残念ながら不可能。服が縮まないように気を付けながら洗濯・乾燥を行うことが大切です!
ここでは、縮みを起こさないための洗濯方法をご紹介します。
◎洗濯方法
家庭で洗濯する場合、水に濡らすことは避けられません。縮みを少しでも防ぐには「揉み作用」をなくすことが大切。手洗いで行いましょう。
- 30℃以下のぬるま湯・おしゃれ着用の中性洗剤を溶かして洗剤液を作ります。
- 衣類を入れ、3分ほどつけ置きし、優しく「押し洗い」をします。絶対に揉んだりこすったりはNGです。
- 洗いが終わったら、洗濯機で30秒程度の脱水を行ってください。乾燥機はなるべく使わない方がベスト。乾燥機の高速回転で目詰まりを起こしたり、熱風に当たることで衣類へのダメージが大きくなります。
★防縮加工がしてあり、家庭で水洗いができる「ウォッシャブルウール」という素材もあります。負担を減らすには、こういった素材の衣類を選ぶのも一つの手です。
◎ポイント
①水洗い不可マークがある服は、クリーニング店へ持ち込む
カシミヤ、麻、レーヨンなどは、洗濯表示に水洗い不可マークがついていることも多い素材です。できるだけ自宅での水洗いを避け、クリーニング業者へ持ち込んでくださいね。
★水洗い不可マーク/洗濯表示についてはこちら↓
②乾燥機を使わない
乾燥機は熱風を吹き当てて濡れた衣類を短時間で乾かすので、熱に弱いものは傷んで縮んでしまいます。
熱に弱い素材:綿、麻、絹、ウール、ナイロン、ポリウレタン、レーヨン、強撚糸を使った素材(クレープ、ちりめん)など
乾燥機にかける前に、洗濯表示や注意書きをチェックしてくださいね。
乾燥機不可のマークがついていないアイテムでも、長く大切に着る服には乾燥機を使用しない方が安心です。
8:まとめ
いかがでしたでしょうか。モノによって、縮む理由は異なります。洗濯タグで素材を確認して、服にあった対策をとってくださいね。
一番大切なのは「縮みを起こさないこと」水洗い不可や乾燥機不可の表示があれば、なるべく洗濯機や乾燥機を使わないようにしましょう。
洗濯時の不安を解決して、気持ちよくお洋服が着られることを願っています。