「いざ洗濯しようとしたら水洗い不可の表示でガッカリ...」「お手入れが大変そうだから、購入を諦めた」なんて経験ありませんか?
今回は水洗いをしてはダメなの?洗濯機のドライコースならOK?などの、水洗い不可マークにまつわる疑問を解決!
水洗いできないお洋服の洗濯方法や、デリケートな衣類を長くキレイに着用するためのちょっとしたコツもご紹介します。
目次
- 水洗い不可マークとは?自宅で洗える?<レーヨン、ポリエステル100%など>
- 水洗いするとどうなる?<縮む・色落ちなど>
- ドライクリーニングと水洗いの違いは?ドライクリーニングマーク(F・W・M)とは?
- 洗濯機のドライコースは、ドライクリーニングと同じ?
- 水洗い不可マークを自宅で水洗いする方法<手洗い>
- 汚れさせない・臭わせないひと工夫とは?
- 洗濯不可の衣類やマウンテンパーカーはクリーニングへ
- まとめ
1:水洗い不可マークとは?自宅で洗える?<レーヨン、ポリエステル100%など>
「水洗い不可」マークとは、「家庭での洗濯禁止(水洗い禁止)マーク」を表すマークのこと。桶にバツ印が入った図が洗濯表示に示されています。ウールやカシミヤ、シルク、レーヨンなどのデリケートな素材のアイテムをはじめ、物によってはポリエステルやアクリル、綿100%でも繊細なものは洗濯不可の表示があることも。
水洗い不可マークがあったら、マークに従い自宅での洗濯は避けるのがベター。洗濯表示はアパレルメーカーが品質事故のないように衣類の素材検査を行い、定めたものだからです。
一方で、おしゃれ着用洗剤(DELICATE SOAP / おしゃれ着衣類用洗剤)等を使えば洗える場合も。家庭での洗濯方法は個人差があるため、「メーカーが推奨している洗い方をすれば水洗いができるけれど、独自の方法で洗ってしまったら衣類を傷めてしまう」というケースの場合は、洗濯禁止と括られていることがあります。購入する前に、詳しいお手入れ方法を店員さんに聞いておくと良いでしょう。
ちなみにこたつ布団やカーペットなどにも洗濯表示がついています。水洗いできないものもあるため、コインランドリーに持っていく前に必ず確認してくださいね。
2:水洗いするとどうなる?<縮む・色落ちなど>
水洗い不可マークのあるお洋服を洗濯すると、以下のようなことが起こる可能性があります。
①縮む
毛(ウール)や麻(リネン)、カシミヤ、レーヨンなどの繊維は、水に濡れると繊維が絡まって縮みやすくなります。
②色落ちする
革(レザー)や麻、絹(シルク)などの繊維は水で濡れると色落ちしやすい素材です。ポリエステルなどの化学繊維でも洗剤と反応し、色落ちが起こる可能性があります。
③毛羽立ち・シワができる
キュプラやレーヨン、アセテート、麻などは表面が毛羽立ったり、シワがつくとなかなか取れなくなります。
④シミができる
シルクやレーヨン、キュプラは水シミになりやすい特性を持っています。
⑤風合いが変化する
特殊な加工などが施されている場合(撥水・防水など)、色合い(白くなる)や質感が変化してしまったり、加工自体がとれてしまうことがあります。
⑥型崩れが起こる
肩パッドが入ったジャケットやシャツの襟など、芯地(衣類の骨組み)を多く使用しているものは、よれてしまうことがあります。
⑦装飾物が痛む
繊細な装飾がついているものやパーツ自体にデリケートな素材を使用しているものは取れやすかったり、ダメージを受けやすいものが多くあります。
⑧逆汚染が起こる
白や薄い色のポリエステルの場合、汚れた洗濯物と一緒に洗うと逆汚染(汚れを吸着すること)が起こる場合があります。
⑨カビが生える
革素材は濡れたままにしておくと内部まで水が浸透し、カビの原因になります。
3:ドライクリーニングと水洗いの違いは?ドライクリーニングマーク(F・W・M)とは?
ドライクリーニングとは、水を使わずに特殊な溶剤で汚れを落とすこと。水を使わないので繊維へのダメージや型崩れが少ない、皮脂汚れ(黄ばみ)をはじめとする油性の汚れを効果的に落とせる、染み抜きを一緒に行えるなどのメリットがあります。反対にクリーニング店へ持ち込む必要があるため家庭での洗濯よりも料金がかかること、水溶性の汚れは落としにくいことがデメリットです。
一方水洗いとは、水に対して耐久性のある洋服を、石鹸や洗剤、漂白剤などを使用して、主に温水で洗う方法のこと。ジュースなどの水溶性のシミを落とすときにも有効です。毎日の汚れを落とすのに、家庭での洗濯は欠かせません。ただし、水洗いは水や洗剤、洗濯機の力で汚れを落とす代わりに、衣類へダメージを与えるものでもあります。デリケートな素材のアイテムは、クリーニング店へ持ち込みましょう。
ちなみに、洗濯表示にあるドライクリーニングマークはクリーニング店の人が見る表示。丸の中にF、W、Mとあるものやドライと記載されたもの(旧マーク)がそれに当たります。例えばFマークの意味は「セキユ系溶剤でのドライクリーニング可」。+下に線があれば「温度や湿度の制限があり、やさしく扱う必要がある」ですが、何の略かは洗濯時に気にする必要はありません。洗濯表示のドライマークの有無に関わらず、洗濯タグが衣類についていれば基本的にどんなアイテムでもクリーニングへ出すことが可能です。お気に入りのお洋服には定期的に活用しましょう。
また、クリーニング店まで持っていくのは大変、と思われる方も大丈夫。最近は宅配クリーニングのサービスも充実しているので、自宅にいながら手軽に利用することができますよ。
4:洗濯機のドライコースは、ドライクリーニングと同じ?
ドライコースと聞くと、ドライクリーニングを想像しますが、実は全くの別物。水洗い不可のものに使用するのはNGです。
ドライコースとは、デリケートな衣類を洗うのに適したコースで、あくまで手洗いのように優しく水洗いすることを指します。おしゃれ着洗いコースや、ソフトコース、手洗いコースなどと表記されていることも。
衣類に負荷のかからないおしゃれ着洗剤(ドライマーク洗剤)と弱めの水流で洗濯し、脱水時間も短く設定されているのが特徴です。
また、クリーニング屋さんを連想する大きな洗濯機のあるコインランドリーでも、ドライクリーニングを利用する事はできません。水洗い不可のものは、クリーニング店へ持ち込んでください。
5:水洗い不可マークを自宅で水洗いする方法<手洗い>
「水洗いしない方が良いだろうけど、クリーニングに出すのは面倒」「袖元だけ汚れが気になる!」なんて時もあるのではないでしょうか。
水洗い不可マークがついているので自己責任になってしまいますが、家で洗う時は以下のやり方を試してみてくださいね。
◎用意するもの
・おしゃれ着用洗剤(中性/弱酸性)
・洗面器
・タオル
◎手順
①色落ちしないかチェックする
服の見えない部分に洗剤をつけ、5分ほど放置。タオルで拭き取って色落ちしないか確認してください。色移りを避けるため、何枚かある場合はそれぞれ分けて洗いましょう。
②押し洗いする
洗面器に40度くらいのお湯をはり、洗剤を入れてください。洗剤は、中性洗剤や弱酸性などのおしゃれ着用のものを使用しましょう。弱アルカリ性のものは洗浄力が強すぎてしまい、衣類へ負担がかかるためNGです。
服を洗面器に入れたら、30秒ほど優しく押し洗いをしましょう。生地に負担がかからないよう、摩擦を避け丁寧に行ってくださいね。
汚れている部分だけ洗いたい場合は全体を濡らす必要はありません。濡らしたタオルに洗剤を付け、汚れを軽く叩いてあげましょう。
③すすぐ
洗面器にキレイな水を入れ直し、泡がなくなるまでしっかりとすすいでください。部分洗いしたものは、濡れたタオルで洗剤を拭き取ります。
洗剤や汚れが残っているとダメージや臭いの原因となるため、念入りに。
④陰干しする
大きめのバスタオルなどを用意し、服を挟んで水分をとりましょう。あとは、直射日光をさけ陰干しをしてあげればOKです。
脱水したい場合は洗濯ネットに入れ、10秒ほどで済ませてください。乾燥機の使用は控えましょう。
アイロンはテカリの原因になるので、当て布をし、低温でやさしく行うと安心です。
6:汚れさせない・臭わせないひと工夫とは?
洗えないお洋服でも、大切に長く着たいですよね。ここでは汚れや臭いを防ぐちょっとしたポイントをご紹介していきます。
①インナーを下に着る
ニットやセーター、ブラウスなど、汗をかきやすい襟や脇などにかかる部分は、なるべく皮膚と直接触れないようにするのが良いでしょう。皮脂汚れの付着を防ぐことができますよ。
②連続して着用しない
連続して着ると繊維が摩耗してしまいます。特にウールなどは着用時に水分を吸ったことで繊維一つ一つのキューティクルが開きます。その状態で着ると毛が絡まりやすくなり、毛玉や毛羽立ちなどの原因に。着用した際の水分をしっかりと乾かすには、二日ほど休ませてあげると良いでしょう。
③洋服ブラシを使用する
ウールやカシミヤなどは着用後に洋服用のブラシで軽くブラッシングしてあげましょう。付着したホコリやゴミを取り除くことができ、毛玉もできにくくなります。値段のはるクリーニングの頻度も減らすことができますよ。
おすすめの商品
DAILY BRUSH / デリケート衣類用ブラシ
『デリケートな衣類の為に厳選したしなやかで、コシのある毛先を使用した衣類用ブラシ』大正創業、浅草の馬毛歯ブラシで有名な、かなや刷子さんに別注し職人さんが1個ずつ手植えで製作した洋服ブラシ(デリケート用)です。
④フキンで拭く
汗や皮脂汚れが付着しやすい襟元などを水でぬらしたフキンで軽く拭き、風通しの良いところで陰干ししましょう。汚れの定着を防いでくれますよ。
⑤消臭スプレーを使う
目立った汚れがなくても、衣類には汗や外の空気のニオイがこびりついています。商品の表示を見て規定の距離や回数を確認し、衣類が軽く湿る程度にスプレーしてあげましょう。
おすすめの商品
DAILY DEODORANT / 衣類用消臭剤
香料でごまかさず、悪臭の元から無臭化にします。また高濃度の銀イオンを配合しているので除菌抗菌効果もあります。植物由来成分(でんぷん)を使用しているので小さなお子様、ペットのいるご家庭にも安心です。
⑥アイロンのスチームを当てる
スチーム機能は微細なスチームの粒子と、スチームが噴射される勢いで、嫌な臭いも除去。また、生地に空気が入るのでふんわりシワなく仕上げてくれます。スチームはコートから浮かせながら当てるのがコツです。
⑦静電気を発生させない衣類の組み合わせを取り入れる<ポリエステルに注意!>
静電気が起きると、ホコリやゴミが繊維に絡みつき汚れやすくなります。
化学繊維は水分が少ないため、静電気が特に起こりやすい素材です。「ポリエステルとナイロン」、「ポリエステルとウール」の組み合わせには要注意。
静電気をなるべく起こさないようにコーディネイトを考えてみるのも効果的な手段の1つですよ。
★静電気を起こしにくくする方法はこちら↓
7:洗濯不可の衣類やマウンテンパーカーはクリーニングへ
洗濯不可の衣類や自宅でお手入れしにくいマウンテンパーカー等のアウトドアウェアはプロのクリーニングへお願いするのも一つの手。
一般的なマウンテンパーカーは水洗い可能であることも少なくありませんが、ゴアテックスなどナイロンやポリエステルは高熱に弱い性質をもつため、乾燥機にかけると縮んだり生地を傷めたりする恐れがあります。
また、漂白剤や柔軟剤は撥水・防水加工などの機能を低下させたり、生地を色落ちさせる場合も。
マウンテンパーカーのクリーニング料金はおよそ1,500~2,000円(税込)程度 です。加えて撥水加工のオプションをつけることもできます。
また、水洗い不可の製品を洗ってしまった/縮んでしまった場合は以下を参考にしてみてください。どうしても直らない場合も、クリーニング店へ相談してみましょう。
8:まとめ
いかがでしたでしょうか。
水洗い不可マークがついていたら、なるべく水洗いを避け、クリーニング店へ持ち込むのがおすすめです。
どうしても水洗いしたい時はご紹介した方法を参考にしてみてくださいね。
毎日のちょっとしたお手入れで、汚れや匂いは軽減できるので合わせて取り入れてみましょう。
皆様がお気に入りのお洋服と長く快適に過ごせることを願っています。
★洗濯表示の見方や一覧表を詳しくみたい方はこちらから↓