中性洗剤は洗濯、食器洗い、トイレや風呂掃除など、幅広く用途で頼りになる存在です。
そんな中性洗剤の特徴や正しい使い方について、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は中性洗剤とはどんなものなのか?何がいいのか、おすすめの利用シーンなどを紹介していきます。
目次
1:「中性洗剤」とは?<洗剤の種類・違い>
中性洗剤とは、合成洗剤(合成界面活性剤)の1つ。洗剤は酸性、中性、アルカリ性の3つのタイプに分類されます。
そのなかでも酸性とアルカリ性の間にある液性のことを中性洗剤と呼びます。
中性洗剤の特徴
中性洗剤は他の洗剤に比べて洗浄力は低め。
一方で「お肌や素材を痛めることが少ないため、安心して使える」「アルカリ性、酸性の汚れを問わず使用できる」メリットがあります。付着したばかりの汚れは中性洗剤で十分なことが多いでしょう。
普段使いがしやすい人気な洗剤で、素手で利用することが多い食器用洗剤や浴室、トイレ、フローリングの掃除洗剤、日常着、おしゃれ用の洗濯洗剤(DAILY SOAP / 衣類用洗剤)、など幅広い用途で使われています。
液性の種類
pH(水素イオン濃度)で区別されており、0〜14の数値で表します。中間の7を中性として、数値が小さくなるほど酸性が強く、数値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
反対の性質によって中和することで汚れが落ちやすくなるため、アルカリ性洗剤は酸性の汚れに、酸性洗剤はアルカリ性の汚れに効果的です。
アルカリ性 |
11.0超 |
弱アルカリ性 |
8.0超~11.0以下 |
中性 |
6.0以上~8.0以下 |
弱酸性 |
3.0以上~6.0未満 |
酸性 |
3.0未満 |
★なぜ汚れが落ちるのか?
洗剤が汚れを落とす仕組みは、界面活性剤の3つの作用によるものです。
① 乳化作用
通常、水に油を混ぜようとしても分離してしまいますが、界面活性剤は親水性と親油性を併せもっているため、水と油が混ざり合うことができます。
② 浸透作用
ウールなどの繊維は水に浸しても表面張力により水が中に入っていかず、なじみづらいですが、界面活性剤は表面張力を低下させ、水を浸透させやすくします。
③ 分散作用
水にススのような粉末を入れても混ざり合わず表面に浮かんできてしまいますが、界面活性剤を入れると粉末は界面活性剤の分子に取り囲まれて水中に分散しやすくなります。
この3つの作用が総合的に働いて、界面活性剤の分子が汚れや繊維に吸着し、水の表面張力が弱まり、汚れを取り囲むことで水の方へと引っぱられ、汚れが繊維から離れるという仕組みです。
2:中性洗剤の製品を見分ける方法
製品の容器に「液性:中性」の表示があります。
先述した通り、洗剤には液性と呼ばれる性質があり、大きく分けて酸性、中性、アルカリ性の3つに分類されます。
3:どんな汚れを落とせる?中性洗剤の使い方<洗濯・掃除>
お肌や素材に優しい中性洗剤は、手垢や皮脂汚れなどの家の中のちょっとした油汚れを簡単に落とすことができます。ここからは掃除・洗濯のシーンや手順をご紹介します。
使用例
食器の油汚れ・風呂場やトイレの水垢・キッチンの皮脂汚れ・デリケートな衣類etc..
主な中性洗剤の種類
・台所用洗剤
・おしゃれ着用洗剤
・トイレの掃除洗剤
床掃除
食器用洗剤が素材を痛めず、べたつきを落とします。リビングの床などのフローリング掃除にも安心して使用できます。
◎手順
① バケツの中に水をためて、食器用中性洗剤を数滴たらします。
② バケツの中をかき混ぜて泡立てます。
③ 泡立てた水の中に雑巾を浸し、固く絞ったらいつものように拭き掃除をします。
④ その後、きれいな水で洗った雑巾でもう一度水拭きをします。
中性洗剤に含まれる成分が床に残っていると、シミや変色の原因となりますので注意が必要です。水で薄めて使用し、しっかり水拭きと乾拭きをして成分が残らないようにしましょう。
⑤ 仕上げに乾拭きをします。
キッチン掃除
食器洗いはもちろん、キッチンで気になる汚れといえば、調理の時に跳ねた油や油を含む蒸気でベタベタになった壁や、シンクの水垢・ヌメリですよね。中性洗剤は壁とシンクどちらのお掃除にもご使用いただけます。また、軽いカビであれば漂白剤いらずで落とすこともできますよ。
◎壁掃除の手順
① スプレーボトルに水を入れ、台所用中性洗剤を1滴だけ入れて混ぜます。
② キッチンの壁にスプレーをしてキッチンペーパーを貼り付けます。
③ 5分ほど放置したら貼り付けたキッチンペーパーで壁を擦ります。
④ 最後に付近で水拭きをして残っている洗剤を落とします。
◎シンク掃除の手順
① 原液のまま台所用中性洗剤をスポンジにつけて泡立てます。
② 円を描くようにクルクルとシンクを擦って洗います。
③ 洗剤をよく洗い流します。中性洗剤の成分が残っているとシミになる可能性がありますので注意しましょう。
④ 最後に乾拭きをして、水分を拭き取ります。
トイレ掃除
酸性洗剤より洗浄力は劣りますが、中性洗剤ならトイレの素材を痛める心配がありません。(水で薄める必要はありません)こまめにお手入れするのがポイントです。
黄ばみや尿石など頑固なアルカリ性の汚れが発生している場合は専用の洗剤を使用しましょう。
◎手順
① 汚れている部分に直接中性洗剤を数滴垂らします。
② 汚れと中性洗剤がなじんだらスポンジなどでこすります。
③ 最後に水でよく洗い流します。
衣類(デリケートな生地)
衣類用の洗濯洗剤にも中性洗剤があります。食べこぼしや皮脂汚れに対しては洗浄力の高い弱アルカリ性の洗剤が向いていますが、素材を傷める可能性があるため、デリケートな生地の洗濯には向いていません。
生地の伸び縮みが気になるものや、色落ちや毛玉ができる心配がある生地など、素材を傷めたくないデリケートな生地には、負担の少ない中性洗剤が活躍します。皮脂、メイク汚れのつくパフ等メイク用品のお手入れにもおすすめです。
おしゃれ着には中性洗剤よりもさらにダメージが少ない、弱酸性の洗剤を使用するのも良いでしょう。
おすすめの商品
DELICATE SOAP / おしゃれ着衣類用洗剤
中性洗剤よりも天然繊維にやさしい弱酸性。ウールやシルクなどのデリケートな衣類にお使いいただけるオシャレ着用洗剤です。縮みやシワを抑え、柔軟剤なしでふんわりと仕上がります。
靴
色落ちしそうなカラーやスエードなどのデリケート素材の靴は、中性洗剤でのお手入れがおすすめです。
洗い方の手順はスエード靴は洗えるの?自宅での簡単なケアについてご紹介で詳しく紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
メイクブラシ・パフ
毎日使用し、メイクや皮脂汚れが付着するコスメ用品も、中性洗剤でケアすることができます。
◎手順
① 水に中性洗剤を適量溶かし、ブラシをふり洗いをします。
② 水で洗い流し、よく乾燥させます。
その他にもプラスチック、ゴム、陶器、大理石などの石材...中性だからこそ、さまざまな素材に使用することができます。
4:中性洗剤がNGなシーンは?
肌や素材にも優しく、さまざまなシーンで活躍している中性洗剤ですが、残念ながら適さない汚れも。酸性やアルカリ性などの汚れに合った洗剤の使用がおすすめです。では、中性洗剤を使用すると失敗しがちなシーンをご紹介します。
壁紙・布製品の汚れ
塗装されていない木製製品、壁紙、布製品へそのまま使うとシミになることも。
原液を薄めて、目立たないところで試してから使いましょう。
調理器などの頑固な汚れ
中性洗剤が苦手とするのは頑固な汚れです。中性洗剤は界面活性剤の作用で汚れを浮かしてとるので、鍋の焦げ付き、長年の油汚れ、こびりついた尿石、衣類についた血液汚れなどの頑固な汚れを落としきることができません。
また、無理やり擦って落とそうとすると素材を傷めてしまうことがあるので注意しましょう。
落ちにくい皮脂汚れが気になる衣類の洗濯には、以下の商品がおすすめです。
おすすめの商品
DAILY SOAP clear / 皮脂・油汚れ衣類用洗剤
漂白剤や蛍光増白剤、香料を一切使用せず、衣類へのダメージを抑えながら純粋に皮脂・油の汚れを強力に除去することを目的として作られた中性の衣類用洗剤です。
5:まとめ
中性洗剤はお肌や素材にやさしい成分のため、洗濯、洗い物、風呂掃除などさまざまなシーンで安心して使用することができます。また、シーン別に洗剤を揃えなくても、台所用の中性洗剤をキッチン以外に、床やトイレのお掃除で使用することが可能です。
洗浄力は酸性やアルカリ性ほど強くありませんが、汚れを溜め込まずに日頃から小まめに掃除をするよう心がければ、家庭内の大半の汚れに対応できます。洗剤の種類が多くてどれを買うか迷ってしまったら、まずは中性洗剤を選んでみてください。