弱酸性洗剤といえば、どんなものが思い浮かびますか?ハンドソープや食器用洗剤などではよく「弱酸性」の表示を目にすることが多いのではないでしょうか。そのため「弱酸性」=肌への刺激が少ない、というイメージがありますよね。
今回はそんな弱酸性洗剤の選び方のコツや、用途ごとにおすすめする製品を紹介していきます。
目次
1:弱酸性洗剤とは?
洗剤製品のパッケージ裏を見ると、「弱酸性」という文字をよく見かけます。しかし、そもそも弱酸性が何なのか、どういった特徴があるのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。
なんとなく肌への刺激が少なそうだからと選んでいた人も、この洗剤それぞれの特徴を知ることで、より用途に合った製品をご自身で選びやすくなります。ではまず初めに、弱酸性を含めた洗剤の「液性」について説明していきましょう。
pHが3〜6の洗剤を「弱酸性洗剤」と呼ぶ
洗剤には液性というものがあり、大きく分けると「酸性」「中性」「アルカリ性」の3つの液性があります。これらはpH(水素イオン濃度) 0~14の数値で区分されており、数値が小さいほど酸性が強く、数値が大きいほどアルカリ性が強くなります。
アルカリ性 |
11.0超 |
弱アルカリ性 |
8.0超~11.0以下 |
中性 |
6.0以上~8.0以下 |
弱酸性 |
3.0以上~6.0未満 |
酸性 |
3.0未満 |
この中で、中性と酸性の間に位置するpH3.0以上~6.0未満のものが弱酸性洗剤です。
アルカリ性洗剤との違い
アルカリ性洗剤は反対の液性を持つ酸性洗剤の汚れを中和させることで落ちやすくさせます。その為、アルカリ性洗剤は油汚れによく用いられていますね。また、たんぱく質を分解する作用もあるため、血液や食べこぼし、焦げ付き、手アカ、皮脂といったタンパク質汚れに対しても強い洗浄力があります。
反対に弱酸性洗剤はアルカリ性の汚れに強いです。アルカリ性の汚れには水アカや、石けんカス、トイレのアンモニア臭などがあります。
酸性洗剤との違い
酸性洗剤は先ほど紹介したように、アルカリ性の汚れに効果を発揮します。こびりついた石けんカスや尿石など頑固な汚れにも強いです。しかしpHが小さいほど強い洗浄力を発揮しますが、同時に目や肌への刺激も強くなってしまいます。
さらに大理石や繊維、金属といった材質を傷めてしまうこともあります。その点、弱酸性洗剤は中性洗剤よりも強い洗浄力を持ちつつも、酸性洗剤よりも肌や材質への刺激が少ない洗剤です。
2:弱酸性洗剤の使用用途
弱酸性洗剤は、洗浄力がありつつも肌への刺激が少ないため、「食器洗い」「洗濯洗剤」「お風呂洗剤」などで活躍!それぞれのシーン別に弱酸性洗剤の特徴をご紹介します。
①食器洗い
人の肌は通常弱酸性に保たれていますので、弱酸性洗剤は刺激が少なく肌荒れしにくいという特徴があります。
食器用洗剤では中性洗剤もよく使われていますが、強い洗浄力をもつものでは界面活性剤の割合が高いものも多いです。界面活性剤は水と脂を混ざりやすくする働きがあるため、割合が高いと皮膚表面の必要な皮脂も落とし、肌荒れの原因にもなることがあります。
②洗濯洗剤
洗濯洗剤では中性洗剤や弱アルカリ性洗剤をよく目にしますが、弱酸性洗剤もおしゃれ着用洗剤(DELICATE SOAP / おしゃれ着衣類用洗剤)などで使用されています。
弱アルカリ性洗剤に比べて洗浄力は少し落ちますが、シルクやウールなど繊細な素材を傷めにくく、使用できる衣類の幅の広さが特徴です。衣類の素材を傷めたくない時は、まず弱酸性洗剤を試すことをおすすめします。
③お風呂洗剤
弱酸性洗剤は水アカや石けんカスなどアルカリ性の汚れに強い特徴があります。こういった汚れが付きやすいお風呂場の掃除には、弱酸性洗剤がとても活躍します。
酸性洗剤だとお肌やお風呂場の材質を傷めてしまう危険もあり、あまり使いたくないという人にも弱酸性洗剤がおすすめです。酸性洗剤より洗浄力は落ちてしまいますが、お肌や材質への負担は減りますし、軽い水アカや石けんカスなどの汚れならすっきりと落としてくれます。
3:弱酸性洗剤のメリット
中性洗剤やアルカリ性洗剤など他の液性を持つ洗剤と比較しながら、弱酸性洗剤の活躍するシーンをご紹介してきました。幅広く活躍する弱酸性洗剤ですが、さらに具体的に弱酸性洗剤を使用するメリットはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは弱酸性洗剤を使用する3つのメリットについて紹介していきます。
①刺激が少なく、肌に優しい
人の肌は弱酸性に保たれているため、同じ性質を持つ弱酸性洗剤はお肌に必要な皮脂を落とし過ぎず、乾燥しにくいというメリットがあります。
乾燥肌や肌が敏感な人は、食器洗いで手荒れやあかぎれに悩むことも多いのではないでしょうか。特に冬場は乾燥もしやすいので、より手荒れしやすくなってしまうため、弱酸性洗剤を使うと安心です。
②使用可能箇所が多い
肌に優しいというメリットからも分かるように、弱酸性洗剤は刺激の少なさが特徴です。肌に限らず材質や素材にも優しいため、さまざまなシーンで使用することができます。
これまで紹介してきたように、食器用洗剤、洗濯洗剤、お風呂洗剤としてはもちろん、ハンドソープやボディーソープ、シャンプーなど肌に直接使用する製品でも弱酸性をよく見かけますよね。お掃除や洗濯から直接肌に使用するものまで、弱酸性洗剤は幅広く活躍してくれます。
③安全に使用できる
弱酸性洗剤は、pHが中性に近いため刺激も弱く、比較的幅広いシーンで活用することができます。肌が弱いので肌荒れをしたくないという時や、デリケートな素材を傷めたくないという時でも安心して使用することができます。
pHが高いもしくは低いほど、アルカリ性・酸性が強くなり、洗浄力は高くなりますが、その分刺激も強くなります。刺激が強いということは、肌や素材への影響にも注意を向けなければいけません。
4:弱酸性洗剤のデメリット
刺激が少なく肌や素材に優しいというメリットから幅広いシーンで活躍できる弱酸性洗剤ですが、もちろんデメリットもあります。たくさんの洗剤製品があり、どれを使っていいか迷ってしまいがちな人も、メリットとデメリットの両方を知ることで、シーンに合った洗剤を選ぶことができます。
ここでは弱酸性洗剤のデメリットを2つ紹介していきます。
洗浄力が劣る場合がある
弱酸性洗剤は酸性の特徴を持ちつつも刺激が少なく肌や素材に優しいと紹介してきました。しかし、pHが高いもしくは低いほど洗浄力は強くなりますので、pHが中性に近い弱酸性洗剤は、酸性やアルカリ性の洗剤より洗浄力は落ちてしまいます。
軽い水アカや石けんカスなどの汚れに対しては、素材を傷めることなく汚れを落とすことは可能ですが、長年にわたってこびりついた石けんカスや尿石など頑固な汚れを落とすことは難しいです。せっかく刺激の少ない弱酸性洗剤を使っていても、無理にこすってしまっては素材を傷めてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
汚れが頑固な場合には他の洗剤を選択する
弱酸性洗剤での洗浄が難しい長年にわたってこびりついた石けんカスや尿石などの頑固な汚れには酸性洗剤を使用しましょう。また、油汚れや食べこぼし、焦げ付き、手アカ、皮脂などの酸性汚れに対してはアルカリ性洗剤を使用しましょう。
このように汚れに合わせて洗剤の種類を変えることも大切ですね。汚れやシーンに合わせて洗剤を選択することで、それぞれの液性を持つ洗剤の効果をより発揮することができます。頑固な汚れを無理にこすらず、洗剤の種類を変えてみるようにしましょう。
5:弱酸性洗剤にはどんなものがある?
ここまで弱酸性洗剤の特徴や活用できるシーンについて紹介してきましたが、実際にどんな製品があるのか気になりますよね。食器用洗剤、洗濯洗剤、お風呂洗剤などシーンに合わせてさまざまな製品が販売されています。
その中でも今回は、弱酸性洗剤のメリットである素材に優しいという特徴を生かした衣類用の洗濯洗剤を紹介します。
DELICATE SOAP / おしゃれ着衣類用洗剤
自宅でセーターを洗濯するときにおすすめの洗剤です。デリケートで大切な洋服の素材に多いウールやカシミヤ、シルクなどに使用できます。弱酸性の効果でしっとり柔らかく仕上がるのが特徴です。
防シワ効果で縮みを抑えることもできるので、柔軟剤を使用しなくても衣類がふんわりします。また、抗菌・防臭効果で嫌なにおいを防いでくれるため、部屋干しが多い人にもおすすめです。
DAILY CONDITIONER / 柔軟剤
弱酸性コラーゲン配合で、素肌で感じたくなるような、ふっくらとした仕上がりが特徴です。衣類だけでなく、肌着からタオル・毛布まで幅広く使用できます。
クリーニング業界で高級衣料の風合い改良剤として、10年以上に渡り販売してきた実績のある柔軟剤。抗菌・防臭効果で嫌なにおいを防いでくれるため、部屋干しにも対応しています。
6:まとめ
今回、弱酸性洗剤の特徴や用途ごとにおすすめする製品の紹介とあわせて、メリットやデメリットについてもご紹介しました。弱酸性洗剤の性質上、酸性やアルカリ性の洗剤と比べると洗浄力は落ちてしまいますが、肌や素材に優しいため幅広い活躍が期待できます。
洗剤は種類が多く、どれを使えばよいか迷ってしまいがちですよね。液性の特徴を知り、用途に合わせた洗剤選びができると、掃除や洗濯などの仕上がりもよりよくなっていくはず。ぜひ参考にしてみてくださいね。