食べ物を食べている時、料理をしている時…。日々のざまざまな場面で、服に油汚れをつけてしまう機会はたくさんあります。
油汚れは、いつも通りの洗濯では落としにくい厄介な汚れ。放置せず早めの対処が必要です!
ポイントは、油汚れ/油染みの程度に合わせた洗剤選び。普段は洗濯に使わない「あるもの」が活躍するかもしれません。
目次
1.油汚れの特徴
油汚れでできたシミは油溶性で、水に溶けにくい性質を持っています。
だからこそ服についてしまった場合は、通常の洗濯では落としにくく、事前の下洗いが重要です。
また汚れの種類にかかわらず、服に汚れがついたらなるべく早く染み抜きをするのが鉄則。
汚れが繊維の奥にこびりついてしまう前に落としてあげましょう。
なお、染み抜きをする際には、必ず洗濯表示(自宅で洗えるか、液温は何度までか)を確認して適切な洗濯方法で洗ってください。
ちなみに、水に溶けるものを水溶性、水にも油にも溶けないものを不溶性といいます。これらの性質も併せて覚えておくと良いでしょう。
シミの種類 | 例 |
性質 |
油溶性 | 口紅、バター、カレー |
・水に溶けにくく、油に溶けやすい(水洗いでは落としにくい) |
水溶性 | コーヒー、お茶 |
・水に溶けやすく、比較的落としやすい |
不溶性 |
泥、墨汁 |
・水にも油にも溶けにくく、落としにくい |
2.基本の油汚れの落とし方【中性洗剤】
まずは、油汚れが服についたばかりの際に行う洗濯の仕方をご紹介します。
「ラーメンや魚の汁、揚げ物でシミがついてしまった!」「子供用のベビーオイルが跳ねた!」なんて時は、以下の方法を今すぐに試してみてくださいね。
軽めの油汚れには中性洗剤
◎用意するもの
・汚れてもいいタオル(2枚)
・歯ブラシ
・台所用洗剤(中性洗剤)または染み抜き剤(PRE SOAP neo シミ抜き剤)
◎手順
①固形物を拭き取る
まずは油汚れのついた部分をタオルで軽くたたき、表面の汚れをなるべくタオルに移します。
②油汚れ部分に洗剤を塗布し、歯ブラシでたたく
タオルを油汚れ部分の下に敷き、食器用洗剤を塗ります。洗剤が汚れに浸透するよう歯ブラシでトントンとたたいてください。
この時、油汚れの部分を裏返した状態でタオルを敷くのがコツ。表側の汚れがタオルに移って、落としやすくなります。
デリケートな生地を傷めずケアするなら、染み抜き剤(PRE SOAP neo シミ抜き剤)の使用がおすすめです。
③5分ほど置いてから通常の洗濯をする
染み抜き剤を使用した場合は、5分ほど時間を置いたら洗濯機に入れてください。分け方は気にせず、他の洗濯物と一緒に洗ってOKです。デリケートな素材の服は、ネットに入れるのを忘れずに!
食器用中性洗剤を使った場合は水洗いで洗剤を流してから洗濯機に入れましょう。
服についたばかりの軽度の油汚れであれば、これだけでかなりきれいになるはず。それでも落ちない場合は、油汚れに特化した次の方法を試してみてください。
外出先ではハンカチで応急処置
出先のレストランやバーベキューなど、すぐに染み抜きができない緊急の場合は、以下の方法を行ってみましょう。
①固形物を取り除き、その後にハンカチやティッシュで汚れを拭き取る
軽くポンポンとたたくようにするのがコツ。強くこすると汚れを広げたり、繊維の奥に入り込ませてしまうだけでなく、繊維にダメージを与えます。
②ハンカチ・ティッシュに水を含ませてシミ部分をたたく
③近くに石けんがあれば一緒に含ませて、たたき終わったら洗い流す
★ちょっぴり面倒...と思われた方は、携帯用シミとりペンをポーチや職場に常備しておくと◎。小さいながらも、その場でしっかりと油汚れを落としてくれますよ。
★外出先でできる対処は充分とは言えません。帰宅したらすみやかに染み抜きと洗濯を行ってください。
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外出先でも手軽に油汚れの染み抜きができる、携帯型の染み抜きペンを持ち歩いておくと安心です。ドクターベックマンの染み抜きペンは、化粧ポーチやペンケースに入るコンパクトサイズ。小さいながらもしっかりと油汚れを落としてくれます。
3.時間が経った油汚れの種類別染み抜き方法【クレンジングオイル・漂白剤】
時間が経った汚れ、洗濯後も残った古い汚れはより厄介。自転車やロードバイクのチェーン、タイヤに引っかかったときの黒い汚れなども取りにくいですよね。
ここでは代表的な洗い方を2つ紹介しますが、それでも落ちない場合はクリーニング店に染み抜きを依頼するのがおすすめです。
頑固な油シミにはクレンジングオイルを使う
油溶性の油汚れは、文字通り「油」に溶ける性質があります。
これを利用して、メイク落としに使うクレンジングオイルやクレンジングジェルで手洗いすることができるのです。
化粧落としのアイテムは時間が経った頑固な油汚れも溶かしてくれるため効果的ですが、そもそも洗濯用の製品ではないため注意が必要です。
特に色物は、必ず目立たないところで色落ちチェックをしてから使ってくださいね。
◎用意するもの
・汚れてもいいタオル
・ぬるま湯
・クレンジングオイル
・洗濯洗剤(DAILY SOAP 衣類用洗剤)
①油汚れ部分の下にタオルを敷き、クレンジングオイルをつける
服の油汚れがついた部分にタオルを敷き、クレンジングオイルをたらします。
②歯ブラシで軽くたたき、オイルを浸透させる
歯ブラシでトントンと軽くたたき、油汚れにクレンジングオイルを浸透させます。
やさしく、汚れを広げないように外側から内側に向かってたたくのがコツです。
③ぬるま湯ですすぎ、オイルをしっかり洗い流す
40〜60℃ほどのお湯で、油汚れ部分とクレンジングオイルをよくすすぎます。動物性の場合は40℃、植物性は60℃程度のお湯を使うと落としやすくなります。
なお、デリケートな服だと「40℃以下」や「30℃以下」の水(お湯)で洗濯するよう指示されていることがあります。洗濯表示を確認して、その服に合った温度にしてください。
クレンジングオイルは、服に残ると輪ジミの原因になってしまいます。生地に残らないよう、しっかりと洗い流してくださいね。
油汚れをお湯ですすいだら、ここまできれいになりました。あとは洗濯機に入れて、通常の洗濯をすればOKです!
落ちない場合は酸素系漂白剤や重曹でつけ置き洗い
クレンジングオイルを持っていない場合や、油汚れが頑固でなかなか落ちない場合は、最終手段として酸素系漂白剤や重曹を使いましょう。
「塩素系」ではなく「酸素系」の漂白剤であれば、色柄物の色落ちを気にせずに洗うことができます。とはいえ、漂白剤は特に洗浄力の強い洗剤です。同じく事前に色落ちしないかチェックしてくださいね。
アルカリ性である重曹は油分をすっきりと落としてくれますが、デリケート素材には向かないため気を付けましょう。
◎用意するもの
・ぬるま湯
・酸素系漂白剤もしくは重曹
・洗濯洗剤(DAILY SOAP 衣類用洗剤)
①洗面所や桶にお湯を張り、酸素系漂白剤もしくは重曹を溶かす
40〜50℃程度(※洗濯表示に従う)のお湯を張り、酸素系漂白剤(or重曹)をよく溶かします。
②服を洗浄液に2時間ほどつけおきする
先ほど作った洗浄液に、服の油汚れがついた部分を浸してつけおきします。
この工程でお湯と漂白剤が油汚れをふやかし、落ちやすくしてくれますよ。
今回は、つけおきして軽くもみ洗いをしただけで、油汚れがきれいに消えました!
③洗濯機で洗う
つけおきが終わり、油汚れがゆるんだら洗濯機に投入。あとは洗濯機の力できれいに汚れを落とすことができるはずですよ。
【番外編】煮洗いをする(耐熱性の衣類の場合)
耐熱性が高い素材、例えば綿や木綿、麻など植物性の繊維ででできた服は、煮洗いができます。
煮洗いは汚れを浮かして落とすだけでなく、殺菌や消臭効果もあります。また、洗剤を使わないので、小さいお子さんや肌の弱い方にもピッタリな方法です。
ポリエステルやウールなどの化学繊維や動物性繊維のものは、煮洗いに向いていないので洗わないようにしましょう。
◎用意するもの
・粉石鹸
・鍋
・固形石鹸
①鍋に粉石鹸を入れる
鍋にお湯を張り、火にかけます。沸騰したらお湯1リットルに対して大さじ1程度の粉石鹸を入れましょう。アルミ製の鍋は化学変化を起こし黒ずんでしまう場合があるので、ステンレスやホーローの鍋を使ってください。
②衣類を鍋に入れて煮る
衣類をしっかりと洗濯液に浸し、10~15分程ぐつぐつと煮ましょう。
③汚れ落ちを確認する
軽く冷まして取り出し、汚れが落ちているか確認します。シミが残っている場合は、固形石鹸を使って揉み洗いをしてください。
④すすぐ
しっかりとすすぎ、脱水・乾燥をさせたら完了です。
4.作業着などの強い油染みを落とす方法
工場で使用する作業服など、頑固な強い油汚れがたくさんついてしまう服の場合は、熱めのお湯と専用洗剤を使ったつけおきがおすすめです。一緒に汗の臭いも落とすことができますよ。
とはいえ、これは丈夫な素材の服にのみ使える汚れの取り方。作業着以外の服は傷んでしまう恐れがあるので、なるべくここまでで紹介した方法で洗ってください。
①60℃ほどのお湯に作業着用洗剤を混ぜ、2時間ほどつけおきする
100℃以上の熱湯はNGです。
②汚れをブラシでこすり取り、洗濯機で洗濯する
これでも油汚れが落ちない場合は、ドライクリーニングを検討しましょう。シミ抜きのオプション(価格は無料もしくは500〜1000円程度)も忘れずに!
5.まとめ
以上、油シミの取り方を5つほどご紹介しました。
とても身近だけど、落とすのがやや面倒な油汚れ。しかし、きちんとした対処法を知って早めに洗濯すれば怖くありません。
携帯用染み抜きペンを一本持っておいて、出先でもすぐ油汚れに対応できるようにしておくのが特におすすめです。
服に油汚れがつく日常の場面の代表例といえば食事や料理シーンですが、油汚れを心配せず思いきり楽しんでくださいね!
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