ピンポイントの汚れは「石鹸」で洗濯される方も多いのでは？
しかし石鹸洗濯は使用方法や洗浄方法を間違えると、服の傷みやカビにつながることも。今回はそんな石鹸を使った上手な洗い方を紹介します。正しい方法を知って、石鹸を使いこなしましょう。
目次
１：石鹸洗濯の「石鹸」は大きく分けると3つある
「石鹸洗濯」とひと口にいっても、その形状や構成成分はさまざまです。石鹼洗濯の種類を大きく分けると「液体石鹸」「固形石鹸」「粉石鹼」の3つがあります。
それぞれに特徴があり使用方法も異なってきますので、状況に合わせて正しく使い分けることが大切です。まずはそれぞれの石鹸洗濯のメリットとデメリットについて紹介していきます。
①液体石鹸
液体石鹸は合成洗剤と同じようなボトルタイプの容器で販売されていますので、パッと見ただけでは区別が付けづらいと思う方もいるのではないでしょうか。しかし、含まれている成分が異なりますので、成分表示を見れば簡単に見分けることができます。
石鹸の場合は品名に「石けん」、合成洗剤の場合は「合成洗剤」と表記があります。また、成分に「石けん」が含まれていない場合は、合成洗剤であると判断することもできますね。
メリット
液体石鹼は合成洗剤と同じように洗濯機に直接投入して使用できます。また、最初から液体になっているので、溶け残りの心配がありません。そのため、固形石鹼や粉石鹼より比較的取り扱いが簡単といえます。
デメリット
液体石鹼は取り扱いやすい一方で、価格が高く、使用量も多く必要です。洗浄力に影響する純石鹸分の割合が低く、固形石鹼や粉石鹸と比較するとコストパフォーマンスが悪いともいえますが、忙しい人にとっては時間を節約できるため、ご自身の生活に合わせて判断しましょう。
②固形石鹸
子供の体操服の泥汚れや、Yシャツの袖や襟元の汚れなどの部分的な汚れに対して、洗濯機で洗う前の手洗いでよく利用されているのが固形石鹼です。固形石鹼を使う時は、まず汚れた部分を水で濡らしてから直接石鹸をこすり付けてもみ洗いします。
固形石鹼で先に頑固な汚れを落とすことで、その後の洗濯機での洗いがしやすくなりますね。液体石鹼や粉石鹼とは少し使い方が異なる固形石鹼には、次のようなメリットやデメリットがあります。
メリット
固形石鹼は純石鹸分が高く、高い洗浄力があります。通常の洗濯では落ちない汚れに対して効果的で、子どもの上履きや体操服の汚れ、Yシャツの袖や襟元の汚れ、黄ばみなど頑固な汚れにも強いです。頑固な汚れをピンポイントで落とせる特徴があります。
デメリット
固形であるために洗濯機での利用は出来ず、手洗いや予洗いだけに利用できます。頑固な部分汚れには強いですが、手洗いでは時間がかかるため広範囲を洗いたいときには不向きです。
③粉石鹸
粉石鹼を使う際は、ひと手間加えることでより効果を発揮しやすくなります。まず洗濯槽にぬるま湯をためて粉石鹼を溶かしてから2～3回ほど回して泡立てます。そうしてから衣類を入れてしばらく回したら、泡立ちの様子を確認しましょう。泡立ちが悪かったら、石鹸が足りていない証拠です。その場合は石鹸を追加します。少し使い方に工夫が必要な粉石鹼ですが、次のようなメリットやデメリットもあります。
メリット
粉石鹼も純石鹼分が高く、高い洗浄力があります。またコストパフォーマンスが良く、液体石鹼と比べると使用量の面においても経済的です。固形石鹼より扱いやすく、液体石鹼より求めやすい価格となっているため、他2つの石鹼のメリットを併せ持っています。
デメリット
洗濯をする際の水温が低い場合、溶け残りが生じることがあります。溶け残りがあると洗浄力にも影響が出ますし、放置すると洗濯槽に石鹸カスがこびりついてしまいますので、注意が必要です。石鹸カスが貯まると、カビや雑菌の温床になり臭いが発生します。また衣類に付着し白く残る場合があります。また、ドラム式洗濯機では対応していない機種があるため、対応可能か使用前に確認をしましょう。
２：合成洗剤との違いは？
ここまで、石鹸洗濯の特徴やそれぞれの形状でのメリットやデメリットについて紹介してきました。また、洗濯をするときに使われるものには、石鹼以外に合成洗剤（DAILY SOAP / 衣類用洗剤）があります。
同じように洗濯を目的として利用されていますが、石鹼洗濯と合成洗剤を使った洗濯にはどのような違いがあるのでしょうか？その違いについて紹介していきます。
①肌や環境にやさしい
合成洗剤は主に石油から作られ、合成界面活性剤が主成分であるのに対し、石鹸は天然油脂または脂肪酸から作られています。そのため石鹸は身体や環境への負担が小さいです。化学成分を含まない石鹸は、赤ちゃんや小さなお子さんがいる方、敏感肌の方にも安心してお使いいただけますね。多くの合成洗剤に含まれる石油は、自然界で分解がされにくいですが、天然油脂から作られている石鹸は海や川に流しても自然に還りやすいといえます。
②泥汚れに強い
石鹼洗濯の中でも、固形石鹼は泥汚れを落とすのにおすすめです。お子さんが外で遊びまわって泥だらけで帰ってきたり、部活動で運動着を泥だらけにしたりと、泥汚れに悩まされている家庭も多いのではないでしょうか。そんな時は、洗濯機に入れる前に固形石鹸で手洗いをしましょう。固形石鹸の濃密な泡が繊維に入り込み、泥の粒子を外に追い出してくれます。また、泥汚れの付いた衣類には汗は皮脂もたっぷり付いているため、弱アルカリ性である石鹸を利用することで、そういった酸性の汚れも同時に落とすことができます。
③全体的な洗浄力はやや劣る
固形石鹼はピンポイントの汚れに強いですが、石鹼洗濯全体でみると、合成洗剤より洗浄力が劣ってしまう場合もあります。これには、石鹸洗濯の扱いが合成洗剤より難しいということも関係しています。
例えば、石鹸は硬水では泡立ちにくく十分に効果を発揮することができません。他にも、石鹼は弱アルカリ性ですが、油汚れを洗濯したときに中和されてしまったり、水で薄まり過ぎたりすると一気に洗浄効果が下がってしまうのです。そのため、石鹸洗濯での洗浄効果を高めるためにはコツが必要となります。
おすすめの商品
DAILY SOAP / 衣類用洗剤
強力な再汚染防止機能を備え、衣類の黒ずみを抑えます。また中性なので色柄物も鮮やかに保つち。色移りを防ぐ機能も。嫌なニオイを防ぎ、部屋干しにも対応しています。
３：洗濯石鹸の3つのコツ
先に述べたように、石鹼洗濯は間違った使用方法では石鹸本来の洗浄力を発揮できません。石鹼洗濯は合成洗剤に比べて取り扱いが難しいという点がありますが、洗濯時のちょっとしたコツを知っていれば、本来の効果を十分に発揮させることができます。ここでは、石鹸洗濯を上手に行う3つのコツについて紹介します。
①純石鹸分の多さをチェック
石鹼洗濯に使われる石鹸にも種類がたくさんあります。どれを選べばよいのか、何を基準に選べばよいのか、迷ってしまうことはないでしょうか？そんな時はまず、純石鹼分の多さをチェックするようにしましょう。純石鹼分が高いほど洗浄力も高くなりますので、純石鹼分が高い石鹸は汚れを落としやすいといえます。固形石鹼は特に純石鹼分の高いものが多いので、頑固汚れには固形石鹼を利用し、洗濯機を使う時はなるべく純石鹼分が高い液体・粉石鹸を利用しましょう。
②よく溶かして使う
石鹼洗濯では、まず20~40℃のぬるま湯に石鹸を入れて混ぜ、よく溶かしてください。その後、泡立ってきたら衣類を入れて洗濯機を回していきましょう。
洗浄力の元である天然油脂や脂肪酸は冷水に溶けにくい性質があります。20℃以下だと石鹸が溶け切らない可能性があり、十分な洗浄効果を発揮できずに洗い残しの原因になってしまうこともあるため注意しましょう。
③すすぎは2回!よくすすぐ
石鹼洗濯を行う際は、最後まで泡が残っているのが理想です。使用量が少ないと石鹸カスが白く残ってしまうこともあります。そのため、もし泡がなくなってきた場合は、石鹸を追加することもあります。
この泡立っている状態から、最後のすすぎでは残っている石鹸をしっかり洗い流す必要があります。石鹸洗濯では溶け残りがないよう、水が透明になるまで少なくとも2回以上すすぐようにしましょう。
★石鹸は柔軟剤代わりになることも。コツを抑えて、タオルや衣類をふんわりと仕上げましょう。
４：まとめ
今回は、石鹸洗濯の種類や使用方法、洗浄方法について紹介してきました。合成洗剤に比べると扱いが難しいというイメージを持っていた方も、今回紹介した特徴や使用方法のコツをつかめば簡単に扱うことができます。石鹸洗濯は、上手に利用すれば高い洗浄力がありながらも、肌や環境にも優しいという強みがあります。
さらに固形・粉・液体を使い分けることで、ピンポイントの頑固汚れにも対応することができます。この記事を参考に、石鹼洗濯をしたことがない方も、今まで上手く扱えなかった方も、ぜひ石鹼洗濯を試してみてください。
