近頃「家事を楽にしてくれる」と話題のドラム式洗濯機。一般的な縦型の洗濯機と何が違うの?必要かな?と気になられる方も多いのではないでしょうか。
ドラム式洗濯機は、縦型の洗濯機と比べてまだ周りに使っている人も少なく、気軽に手を出しにくい家電。後悔しないように、しっかりと検討したいですよね。
今回はドラム式洗濯機のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。洗濯機選びにぜひお役立てください!
目次
- ドラム式洗濯機の特徴・比較表
- ドラム式洗濯機のメリットとは?
- 衣類を干す手間がない
- 節水できる・洗剤の使用量が少ない
- 皮脂汚れに有効である
- ふんわり仕上がる・シワになりにくい
- 毛布・布団も乾燥まで自宅でできる
- 梅雨・花粉の時期でも洗濯しやすい
- プライバシー保護に有効である
- 時間帯を気にせず洗濯できる
- 洗剤の自動投入機能がある
- ドラム式洗濯機のデメリットとは?
- 洗浄力が低い・黒ずみしやすい
- 生地が傷みやすい
- 洗濯機能のみだとタオルがゴワゴワになる
- 音がうるさい
- 本体価格・電気代が高い
- サイズが大きく、本体の搬入・搬出が大変である
- 子供の事故に注意が必要である
- 除菌力が低い・嫌な臭いが残りやすい
- 洗濯パンや排水口に汚れが溜まりやすい
- 日常的な掃除の回数が増える
- シワが気になりやすい
- ドラム式洗濯機の選び方は?
- ドラム式洗濯機と縦型の洗濯機を比較すると、どちらがいい?
- まとめ
1:ドラム式洗濯機の特徴・比較表
ドラム式洗濯機 | 縦型式洗濯機 | |
手間 | 乾燥が楽/掃除が大変 | 干すのが大変 |
節水 | 少ない水で洗える | ドラム式より劣る |
本体価格 | 高い | 安い |
電気代 | 乾燥時は安い | 乾燥時は高い |
洗浄力 | やや劣る | 高い |
乾燥機能 | ふんわりと仕上がる | 乾燥しにくい |
衣類の傷みにくさ | 傷みやすい | 傷みにくい※洗濯のみ |
ドラム式洗濯機は、少ない水量・洗剤量で洗濯ができ、充実した乾燥機能を搭載しているのが特徴です。
ドラム式は入り口が斜めになっており、洗濯槽が斜めまたは横の状態で回転するため、衣類が上に行っては落下するという動きをします。この下に落ちる動きで衣類を洗浄することを「たたき洗い」と言います。全ての衣類を水に浸ける必要がなく、水の遠心力を使う縦型よりも少ない水で洗浄が可能です。
また、ドラム洗濯式は乾燥機能がとっても優秀。落下する間に温風がしっかりと当たるため、短い時間でふんわりと乾かすことができます。
以前はヒーター式と呼ばれる乾燥機能で、電力の消耗が激しいのが難点でしたが、ここ3〜4年はヒートポンプ式やヒートリサイクルなど省電力方式になり、消費電力は大幅に下がっていますよ。
ちなみに、日本ではまだ縦型が主流(6割〜7割)です。海外(主に欧米)でドラム式が主流なのは、日本とは水のタイプが異なるため。日本は軟水で海外は硬水です。お洗濯には軟水が理想的で、硬水は洗剤の効力を落とし、汚れ落ちを悪くしてしまいます。硬水を使わざるを得ない海外では物理的力で汚れを落とす、たたき洗いを用いるドラム式が一般的なのです。
洗濯に最適な軟水の環境がある日本は、水流で汚れを落とす縦型の洗濯機が普及。しかし最近は節水という観点や、共働きなどで家事に時短を求める層が多くなり、ドラム式の人気が高まりつつあります。メーカーによってコンパクトなものも増えていますよ。
寿命は7〜10年ほどと言われており、縦型と同等かそれ以上と言えるでしょう。
2:ドラム式洗濯機のメリットとは?
洗濯・乾燥のメリットが注目されて、乾燥に強いドラム式が現在大ブレイクしています。ここではそんなドラム式洗濯機のメリットを解説していきますよ。
①衣類を干す手間がない
乾燥機能がついているため、洗濯時に面倒な「干す、取り込む」作業が必要ありません。仕事で忙しい・家族が多い、といった方も洗濯から乾燥までを時短で済ませることができます。
縦型にも乾燥機付きのものはありますが、遠心力で衣類が洗濯槽に張り付いてしまうため、空気をふくませて乾燥するのが難しく、なかなか乾かないことがあります。
②節水できる・洗剤の使用量が少ない
水量が少ないため、水道代の節約に効果的です。また、少ない洗剤量で効果を発揮してくれます。洗剤の使いすぎを防ぐことができるため、環境面にも◎。
③皮脂汚れに有効である
水量が少ないため、洗剤を高濃度で行き渡らせることができます。家庭の洗濯機では落としにくい皮脂汚れにも有効です。皮脂汚れ専用の洗剤(DAILY SOAP clear / 皮脂・油汚れ衣類用洗剤)も使えばより汚れ落ちもUPしますよ。
④ふんわり仕上がる・シワになりにくい
ドラムが回り、洗濯物を持ち上げて空気を入れるため、衣類やタオルがふんわりと仕上がります。また、低温で乾燥するので縦型よりも縮みが起こりづらく、シワになりにくいのが特徴。アイロンがけをしなくてもOKです。
ちなみに縦型乾燥に多く採用されるヒーター式は100℃程で乾燥するため、臭いを防ぎ除菌することはできますが、反対に縮みやダメージになりやすいデメリットを持っています。
⑤毛布・布団も乾燥まで自宅でできる
機種や布団の大きさにもよりますが、毛布・布団の洗濯から乾燥までを自宅で行うことができます。
毛布や布団などの大物は、一般的な縦型洗濯機でも洗濯できますが、乾燥まで考えるとトライしにくいもの。コインランドリーやクリーニングを活用する手もありますが、ドラム式洗濯機があればより気軽にお手入れすることができますよ。
⑥梅雨・花粉の時期でも洗濯しやすい
雨が降っていて外干しができなかったり、湿気が多くて部屋干し臭を感じる時も乾燥機能がついているから安心。外の天気を気にせずに洗濯をすることができます。外干しがいらなくなるため、花粉やPM2.5の付着も避けられ、健康面でも安心です。
⑦プライバシー保護に有効である
外干しをしなくても良いから、プライバシー保護にも有効。部屋干しするスペースがなくても、乾燥機能があればドラム式洗濯機だけで洗濯・乾燥を完結させることができます。一人暮らしの女性や、1階に住んでいる方にもおすすめです。
⑧時間帯を気にせず洗濯できる
夜にタイマー設定を行えば、翌朝起きた頃に仕上がるよう設定することも可能。
次の日に必ず着たい洋服があるときも洗濯機に入れれば良いだけなので、万が一のときも焦らなくてOKです。
⑨洗剤の自動投入機能がある
最新の洗濯機には、洗剤や柔軟剤を自動で投入してくれる機能がついているものも。毎回計量する手間が省け、入れすぎや入れなさすぎを防ぎます。
普段は洗剤の容器を収納しておけるため、省スペースにも◎。来客時に隠す必要もなくなりますよ。
3:ドラム式洗濯機のデメリットとは?
メリットが多く、暮らしを快適にしてくれそうなドラム式洗濯機。しかし、そんなドラム式にも欠点が。人によっては「二度と買わない!」「やめとけ」なんて方も。「どっちが人気か」ではなく、「自分のライフスタイルに合うかどうか」を確認しておきましょう。
①洗浄力が低い・黒ずみしやすい
水量が少ないため、泥汚れなどの頑固な汚れへの洗浄力は低め。洗剤や汚れが十分に落としきれず、嫌な臭いや黒ずみの原因に繋がることもあります。汚れには直接洗剤をつけるなど、予洗いをしたり、すすぎの回数を増やすと安心です。
②生地が傷みやすい
ドラム式洗濯機はドラムの中で「叩いて」洗濯し、温風を当てて乾燥するため衣類にとっては過酷な環境。洗濯物の量が少ない場合は、たたき洗いの衝撃がよりかかることになるため、おすすめできません。デリケートな衣類の素材は乾燥機不可のものも多く、乾燥機能が売りのドラム式には向いていないと言えるでしょう。
とは言え縦型も生地を痛めやすいという声があります。洗濯槽の下についているパルセーターという羽根で水流を作り揉み洗い・擦り洗いをするので、衣類が絡みやすくダメージに繋がってしまうのです。
洗濯はどんな方法でも、生地へ少なからずダメージを与えます。使う洗剤を変えたり、素材によって分けて洗うなどの工夫をすると良いでしょう。
③洗濯機能のみだとタオルがゴワゴワになる
たたき洗いを行うことにより洗濯物の繊維がつぶれてしまうため、そのまま自然乾燥をするとタオルなどはゴワゴワになってしまいます。「ドラム式洗濯機の利用は、乾燥までがセット」だと考えましょう。
④音がうるさい
運転中(脱水・乾燥)の音は縦型よりも激しい場合があります。木造や軽量鉄骨の集合住宅で深夜に使用するのは控えた方がよいでしょう。
⑤本体価格・電気代が高い
乾燥機能が付いている分、本体の値段は縦型と2倍からそれ以上の差があります。また毎月の電気代も乾燥機能がついている分、縦型よりも高くなります。
ただし、縦型での乾燥代はドラム式のおよそ3倍と言われているため、乾燥機能を使う場合はドラム式がお得です。
⑥サイズが大きく、本体の搬入・搬出が大変である
縦型と比べ、同じ洗濯容量のものでも2倍近く重さが違うこともあります。また、スペースを取るため設置できなかったり、ドアや通路を通過できないケースもあります。搬入時の経路も確認して購入しましょう。
⑦子供の事故に注意が必要である
機種によっては子供が入り込んでしまった際、内側から軽い力で閉められるものがあります。蓋を開けることができず子供の窒息事故が起きるケースも報告されていることを抑えておきましょう。
最近の機種のものはチャイルドロック機能(一定の操作をしないとロックが解除されなくなる機能)が備わっているため、小さなお子様がいる場合は活用してください。
⑧除菌力が低い・嫌な臭いが残りやすい
コインランドリーの乾燥機や縦型の乾燥機能と比べると温度が低いため、衣類への負荷がかかりにくい反面、除菌力は劣ります。生乾き臭の原因となるモラクセラ菌が残った場合、除菌出来ず臭いが発生しやすいのが欠点です。
そもそも、しっかりと汚れを落とすことが一番大切。洗濯物は詰め込まない、事前に汚れを落とすなどを徹底しましょう。
⑨洗濯パンや排水口に汚れが溜まりやすい
サイズの大きいドラム式洗濯機は、そのまま洗濯パンに設置すると洗濯機との間に隙間がなくなり、掃除がしにくくなってしまいます。掃除を怠ると、悪臭/水がたまる/故障などの原因にも!
洗濯機と洗濯パンの間に「かさ上げ台」を挟み込み隙間を作るか、キャスター付きの台を活用するのがおすすめです。
⑩日常的な掃除の回数が増える
縦型洗濯機と比較すると、本体のお手入れに掛かる手間は増えます。
1つ目は乾燥用の排気フィルター。使用後に溜まったホコリを取り除きましょう。作業自体は10秒ほどで終わります。
2つ目は糸くずフィルター。縦型と違い、歯ブラシなどでこする必要があります。
カビや嫌な臭いを防ぎ、また壊れにくいように、掃除は必ず行うようにしましょう。
⑪シワが気になりやすい
リネン素材などのシワが気になりやすい素材は特に注意。Tシャツなども、乾燥後放置するとシワが目立ちます。
シワをつけたくない場合は、乾燥が終わったら時間を置かず取り出すもしくは脱水後に取り出し、自分で干すと良いでしょう。
4:ドラム式洗濯機の選び方は?
一度購入したら長いお付き合いになる洗濯機。以下のポイントを抑えて、身の回りの環境に合った、毎日ストレスなく使用できるものを選びましょう。
①容量を確認する
洗濯量は、1日1人あたり約1.5kgが目安。人数と一度に何日分の洗濯をするかを含めて計算し、洗濯に必要な容量を確認しましょう。(1.5(kg) ×人数×日数=容量)
②設置スペースや玄関スペースを確認する
洗濯機を置くスペースやご家庭の防水パンのサイズをよく調べておきましょう。
また、正面のドアを全開できるスペース、洗濯物を出し入れする際に体をかがめるスペースも必要です。
家に運び込む際、玄関や通路に入らないこともあるため、導線上に狭い場所がないかもチェックしておきましょう。
③扉の左開き/右開きを確認する
洗濯機に向かって扉が左側に開く場合は「左開き」。洗濯機の左側に壁がある場合は「左開き」がおすすめです。また右側に壁がある場合には「右開き」のドラム式洗濯機を選びましょう。
ドラム式洗濯機の扉の開き方で家事動線が変わり、使いやすさに影響します。
この他にも高さや取り出しやすさなど、購入前に売り場で実際に使用するシーンを想像しながら選ぶとgoodです。
5:ドラム式洗濯機と縦型の洗濯機を比較すると、どちらがいい?
洗浄力的にはドラム式洗濯機と縦型の洗濯機は同等。どっちを選んでも遜色がないと言えます。
ドラム式は縦型と違い、洗濯物を干す必要がないので家事を時短したい方に大きな需要があるのではないでしょうか。一人暮らしの方は電気代や水道代を安く済ませる点でもドラム式はおすすめです。
一方、乾燥機能を使えないデリケート素材の衣類を着る機会が多い方や、できるだけ最初の出費を抑えたい方など、縦型を選んだ方が良い場合もあります。
ドラム式・縦型洗濯機はどちらも開発が進んでいるため、ライフスタイルに合わせて、買う買わないを判断するのが一番のポイントです。
6:まとめ
いかがでしたでしょうか。
意外と知らないドラム式洗濯機のメリット。乾燥機能に強く、干す手間がない、節水できると言った魅力的なポイントがたくさんあります。
一方、乾燥機が使えない洋服には合わないなど、暮らしにそぐわないケースもあるのではないでしょうか。
乾燥機能を活用したいと思われる方にはとっても便利なドラム式。自分の生活に合った洗濯機を活用して、洗濯時のストレスを減らしましょう!