レイングッズやアウトドアグッズを購入する際に、撥水加工が施されているグッズと防水加工が施されているグッズ、どちらがいいか/購入するかで迷われた経験は誰もがあるのではないでしょうか。
今回は「撥水加工」を中心に、「防水加工」との違いや、洗濯する際の注意点についてわかりやすく解説します。
目次
1:撥水加工の効果とは
「撥水加工」の意味は、「水を弾く加工」ということ。
水が加工面で転がるイメージ。一般的には(フッ素系・シリコン系)があります。ちなみにメジャーはフッ素系です。
【フッ素系】
加工面を撥水基(はっすいき)と呼ばれる水の分子よりも細かい繊維で覆い、水も油も弾くことができます。
ただし、持続性が弱く摩擦などの物理的な影響に弱い性質を持ちます。
【シリコン系】
加工面を疎水性(水と馴染まない)成分でコーティングするもの。ワックスを塗ったイメージです。
水を弾き持続性もありますが、油は弾かず、透湿性も悪い特徴を持っています。
2:撥水と防水の違い
そもそも「撥水」と「防水」の違いはどんなものでしょうか?
【撥水】
水を弾くために素材の表面に加工することです。
【防水】
水を弾くのではなく、ゴムや合成樹脂で素材事態が加工されたもので、水の侵入を完全に防ぐことです。生地の裏側まで水を通さないもので、例えばビニール・ゴム・ターポリンなどです。
撥水と防水では、水を通すレベルが異なります。
★撥水性を長持ちさせるには、洗濯時に専用の洗剤(撥水機能性アウター専用洗剤)を使用するのがおすすめです。
3:どんな衣類に加工が施されているか
撥水加工や防水加工は、どのような衣類に施されている加工なのでしょうか。
【撥水】
スノーウェア、コート、ダウンジャケット・傘・靴などの身の回りの衣類に多いです。
市販の撥水スプレーや撥水剤を使うことで、あとから撥水コーティングを施すことも可能。ただしこの場合、表面に加工を施しているだけのため、使用とともに効果は落ちていきます。
【防水】
雨合羽、アウトドア系のリュック、テント、垂れ幕、横断幕、建物の屋上など耐久性が求められるものに多いです。
【ゴアテックス】
独自の技術で開発された、防水と透湿を兼ね備えた特殊な生地です。
たとえ生地表面の撥水効果が薄れて濡れたとしても、防水機能で中まで水が侵入しません。※ただし、縫い目やファスナー部分からは水が侵入する可能性があります。
★ちなみに、防水・撥水生地の種類として使われる素材は、大きく分けてナイロン、ポリエステル、ラミネートの3つです。
4:普通に洗濯していいの?
「撥水」と「防水」の洗い方に大きな違いはありません。
基本的には、衣類の品質表示に従って洗ってください。
しかし、気をつけるポイントとして以下の点が挙げられるので、注意が必要です。
【洗う前】
ポケット・コード・マジックテープを使用している場所は、洗う最中にひっかかりの原因となるので、全て閉じておく。
【洗濯機】
・溶け残りやすい粉末洗剤・漂白剤・蛍光増白剤・柔軟剤の使用はNG。
・酵素が入った洗剤を使う場合は、酵素は衣類に残りやすいのでよくすすぐ
・液体タイプの中性洗剤が◎
・洗剤の残留がない様に、洗剤は少なめですすぎはしっかりと2回以上行う
・脱水は短時間で行う。
・洗濯中の摩擦を軽減する為に、洗濯ネットに入れて行う
※水に沈み難いので、初めに満遍なく濡らして水を染み込ませることが良いでしょう。
【手洗い】
・溶け残りやすい粉末洗剤・漂白剤・蛍光増白剤・柔軟剤の使用はNG
酵素が入った洗剤を使う場合は、酵素は衣類に残りやすいのでよくすすぐ
・液体タイプの中性洗剤が◎
・優しく押し洗い。もみ洗いは生地を傷めたり、撥水効果が薄くなるのでNG
・洗剤の残留がない様に、洗剤は少なめですすぎは水が綺麗になるまでしっかり行う
・脱水は短時間で行う
・ぬるま湯(40度以下)
【干す】
・風通しの良い場所で陰干し
※直射日光は色褪せの原因となりますので、NGです。
【撥水効果の復活】
撥水効果を戻すには熱を加えましょう。
乾燥機・当て布を使ってスチームなしのアイロン・ドライヤーなどの使用がベターです。
おすすめの商品
撥水機能性アウター専用洗剤
洗浄剤や汚れによって損なわれやすい「撥水性」を守ることに優れていて、撥水コーティングを守りつつ汚れを除去。さらに、使い続けることで菌や臭いが付着しにくくなります。
5:絶対NGな洗濯方法
撥水加工や防水加工にとって、絶対にしてはいけない選択方法をご紹介します。
①溶け残りやすい粉末洗剤・漂白剤・柔軟剤の使用
撥水加工などにとって、余分な成分(粉末洗剤・漂白剤・柔軟剤)が残ることは、生地のダメージになったり、加工本来のパフォーマンスが低下する原因となります。
②もみ洗い
生地を傷めたり、撥水効果が薄くなります。
生地・撥水加工にとって物理的なダメージになりやすいので避けましょう。
6:まとめ
何となく効果が似ているようで、加工自体は全く異なるものだったと思います。
せっかく加工がされている商品を購入したのに、お洗濯でダメにしてしまった...なんてことがないように、ぜひ覚えて役に立ててみてください!