撥水加工された衣類の正しい洗濯の仕方とは?撥水性を復活させる方法もご紹介。

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登山などのアウトドアシーンで活躍する、撥水性のあるアウターやウェア、リュック。雨の日のお出かけにもぴったりだから、普段使いのアイテムも人気ですよね。

そんな「水に強い」印象がある撥水加工。実は、普通の洋服と同じお手入れをしてしまうと、撥水効果が低下したり、白くなる原因につながります

今回は、撥水効果を長持ちさせる・復活させる方法をご紹介します。正しい洗い方を知って、撥水性を長持ちさせましょう!

 

目次

  1. 撥水加工の基礎知識・防水加工との違い
  2. 洗濯の準備
  3. 撥水機能を長持ちさせる・回復させるためのお手入れ方法
    1. 洗濯機を使う場合
    2. 手洗いで洗濯する場合
    3. バッグや小物を洗う場合
  4. 撥水効果を復活させる方法
  5. 衣類に撥水加工を施す方法<スプレー、クリーニング>
  6. アイロンの掛け方
  7. まとめ

1:撥水加工の基礎知識・防水加工との違い

撥水加工とは、「水を弾く加工」のことです。

フッ素などで生地の表面をコーティングして、撥水基(はっすいき)と呼ばれる水の分子よりも細かいうろこ状の突起物を作り、水をはじきます。

撥水加工のメリットは布目の隙間を塞いでいないため、通気性や透湿性(蒸れにくさを示す数値)があること。洋服の場合は着心地よく着用できます。

また、水性や油性の汚れを付きにくくする点もポイントです。

撥水加工のデメリットは多量の水にさらされたり、水がついた状態が長く続くと生地の隙間から水がしみてくること。素材そのものではなく、あくまで表面に加工を施しているためです。

洗濯や使用時に生じる摩擦で撥水基が寝てしまう・撥水剤自体が取れてしまうことや、汚れや洗剤が生地の表面に残ることで、撥水機能が低下してしまうこともあります。

ちなみに同列に扱われることの多い、防水加工とは「水滴を通さない加工」のこと。主に布地の裏側に加工を施してあります。

素材自体が加工されているため強い雨でも水を通しませんが、通気性が悪く蒸れやすい・質感が変化しやすいなどの弱点も。

撥水加工、防水加工は特性が違うため、それぞれシーンや目的によって使い分けると良いでしょう。

2:洗濯の準備

①洗濯表示を確認する

衣類等についているタグを見て、桶にバツ印=【家庭での洗濯禁止(水洗い禁止)マーク】がある場合は

ご自宅で洗わず、クリーニング店へ持ち込んでください。

桶マークの中に手の表示がある場合は「手洗いが可能」という意味のため、洗濯機はNG。ぬるま湯か水で手洗いをしましょう。

 

②専用洗剤や中性洗剤を用意する

画像の洗剤は、撥水機能を持つアイテムの専用洗剤(撥水機能性アウター専用洗剤)。

洗浄剤や汚れによって損なわれやすい撥水性を守りながら汚れを除去、素材本来の質感を保ちながら優しく洗い上げます。

抗菌・防臭効果があり使い続けることで菌や臭いが付着しにくくなることも嬉しいポイントです。

もちろん、専用でない中性洗剤を使用してもOK。

ただし柔軟成分、漂白剤、蛍光増白剤などが配合されているものや柔軟剤の使用は、撥水加工の効果を低下させる原因になるためお控えください。

 

3:撥水機能を長持ちさせる・回復させるためのお手入れ方法

撥水機能を長持ちさせるためには、付着した汚れを放置しない事が重要。ただし、ちょっとした汚れは軽く拭きとる程度で◎洗濯自体を過度に行いすぎるのはNGです。

また、すすぎはしっかりと行いましょう。汚れや洗剤を取り除けば、撥水効果を回復させることができます。

洗濯機を使う場合

①専用洗剤か中性洗剤(撥水機能性アウター専用洗剤)を使用する

②ドライコースで洗濯する
洗剤をセットし、「ドライコース」などのおしゃれ着洗いで使われる弱水流モードを選びましょう。 通常の洗濯コースと比べ、やさしく洗うことができます。

③すすぎは十分に、脱水時間は短く行う
洗剤成分が残ると撥水の効果が薄れてしまうため、しっかりすすぎましょう。また、脱水は摩擦を引き起こすため、10秒ほどで手短に済ませてください。

④直射日光を避けて陰干しする

 

手洗いで洗濯する場合

お気に入りのものや、手洗いマークの衣類は手洗いをしましょう。

①洗面器などにぬるま湯を張り、洗剤(専用洗剤か市販の中性洗剤)を溶かす

②優しく押し洗いをする
汚れやすい首元や襟元を重点的に行いましょう。

③すすぎ洗いを十分に行う
洗剤が残りやすいポケットやフードは重点的に、洗った時間の約2倍の時間をかけてすすいでください。

④大きめのタオルなどでやさしく挟み、水気を切る
ポケットやフードなど水が残らないように注意してください。洗濯機を使用できるものは、手短に脱水をかけましょう。

⑤直射日光を避けて陰干しする

 

バッグや小物を洗う場合

汚れや汗による匂いも気になるリュックなどのバッグ類や小物類も定期的にお手入れをしましょう。

全体を洗う必要がない時、小さな汚れは部分洗いでOK。細かいところはスポンジを使い、強く擦らずやさしく洗ってください。

また丸洗いする場合は取り外せる部品は全て外しましょう。手洗いまたはドライコースで洗濯をしてください。

 

4:撥水効果を復活させる方法

撥水効果を復活させるために有効なのは、熱を加えること。

具体的には、

①乾燥機に15〜20分ほど入れる

②当て布をしてアイロンをかける

③ドライヤーの風を当てる

などが有効です。

先述したように撥水加工とは、撥水基と呼ばれる分子レベルの細かい突起物が水をはじく仕組み。もともとは立ち上がった状態の撥水基が摩擦や汚れなどで寝てしまうと撥水効果が弱まります。そんな時熱を加えると寝ていた生地の表面の繊維が立ち、元に戻ってくれるのです。

ナイロンなどの素材は熱に弱いため、低温で手短に済ませましょう。洗濯表示は必ず確認してから行ってくださいね。

 

5:衣類に撥水加工を施す方法<スプレー、クリーニング>

撥水機能の低下を感じた場合でも、簡単に撥水加工を施すこともできます。

①撥水スプレーを使う

市販されているスプレーを使って自分で撥水加工を施すことが可能です。場合によってはムラになってしまうケースもあるため、使用方法を事前に確認してから使用してください。また、必ず目立たない場所で問題がないかチェックしましょう。

②クリーニング店へ持ち込む

クリーニング店では熱処理なども併用して撥水加工をしてくれます。お気に入りの洋服のケアやしまい洗いの際におすすめです。クリーニング店によって、撥水加工の処理方法が違うので、あらかじめ問い合わせておくと安心ですよ。

 

6:アイロンの掛け方

洗濯表示を確認し、問題がなければアイロン掛けをしてもOK。不安な場合は生地の端で試しにかけてみてくださいね。

アイロンは衣類の品質表示の温度に従って設定し、掛けた後はタオルなどで熱をすぐに取るようにするときれいに仕上がります。

撥水・防水加工がされている製品は、高温で無理に伸ばすと生地が溶けてしまうことも。アイロンの温めすぎには注意しましょう。

 

7:まとめ

以上、撥水性のあるアイテムのお手入れの仕方をご紹介しました。

撥水性が弱くなったものも復活させることができるので、諦めなくても大丈夫。是非、ご活用くださいね。

レジャーにも普段の生活にも便利な、撥水加工された衣類やバッグ。

生地を痛めないよう適切に洗って、より長く、快適に使えるようにしましょう!

 

著者

Kazama

洗濯もライティングも絶賛修行中の元アパレル店員。
この情報もっと早く知りたかった!と、シミになったお気に入りの服を想いながら書いています。

監修者

w_mashimo

クリーニング事業用の機械・洗剤・備品を扱うクリーニング機材商の(株)光栄産業にて勉強中。2014年に長く従事したアパレル業を辞め転職。家庭用向けケアブランド 『DAILY CLEANERS & CO-』も運営。
酒と肴をこよなく愛しています。一猫一女と日々格闘中。

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