毎年冬になると私たちを悩ませる静電気。お気に入りのロングスカートが足にまとわりついたり、コートやフリースを脱ごうとしたら強い痛みが走ったり…静電気特有の「バチッ」とした感覚は気分の良いものではないですよね。
「冬は仕方がない」「静電気体質だから」「静電気がひどい服は捨てる」と思われている人も、諦めるのはちょっと待って!その静電気、着ている洋服の組み合わせ方を変えれば解決できるかもしれません。
「静電気が起きにくい素材の組み合わせ方」や「柔軟剤などを使った対策」をぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1:静電気とは?
静電気とは「プラスとマイナスの電気のどちらかに帯電した状態」のことです。
全ての物質は、プラスとマイナス2種類の電気をもち、普段はバランスが取れた状態。この電気のバランスが崩れることで静電気が発生します。
2:静電気が発生する理由
静電気が発生する理由は「摩擦」です。物体同士が擦れると、電子が他方の物体に移動。マイナス、プラスの電子どちらかに偏り、バランスが崩れてしまいます。これを帯電といいます。
帯電状態でプラスの電子に偏った物体に、マイナスの電子に偏った物体が戻ろうとすることによって電流が流れることを放電といいます。これが静電気の「バチッ」とする痛みの正体です。
★冬に静電気を感じる理由
冬場に静電気を感じやすいのは、湿度が低く、空気が乾燥しているから。水分が多いと電気は空気中に逃げやすいのですが、乾いた空気の中では帯電した状態が長く続くため、静電気も起こりやすくなります。加湿器を使っている部屋では静電気が気になりにくいのも、空気中の水分量が関係しているためです。
また、重ね着や様々な素材を着る機会が増えることも理由の一つ。冬になると服同士の摩擦が増えるため、静電気も起きやすいのです。
洋服の素材自体には「マイナスに帯電しやすい」「プラスに帯電しやすい」特徴があり、服の相性によっては、より強い静電気が生じてしまいます。
3:「静電気が起きやすい」服の素材の組み合わせ
静電気が起こりやすい素材の組み合わせは、「マイナスに帯電しやすい素材」×「プラスに帯電しやすい素材」=反対の性質を持つ素材との組み合わせです。
表の外側に位置する帯電しやすい素材同士の「ポリエステルとナイロン」、「ポリエステルとウール(毛)」は強い刺激が起こることも多いため要注意。
特に化学繊維は水分を保持(疎水性)していないため、静電気が起こりやすい素材です。
一部ですが、マイナスに帯電しやすい素材とプラスに帯電しやすい素材が混紡されている衣類もあるため、購入する際は確認しておくと良いでしょう。
一方、綿(コットン)やシルク、麻などの天然繊維は吸水性が高く、静電気の発生が少ない素材です。
★静電気を防ぐには柔軟剤(DAILY CONDITIONER / 柔軟剤)や洋服ブラシ(DAILY BRUSH / 衣類用ブラシ(コート・スーツ/静電気除去機能付))を使うのが効果的!詳しくは「5:これで安心。静電気の対策方法」をチェック。
4:静電気を防止!コーディネイトのポイント
冬になったら、できるだけ静電気が起きないコーディネイトを組んでみましょう。ここではすぐに実践できる、コーデ選びのポイントをお伝えします!
①ウールやポリエステル・混紡素材には、綿を取り入れる
ウールやポリエステル、混紡生地などの帯電しやすい素材を使ったコーディネイトに迷ったら、帯電しにくい綿素材のアイテムと組み合わせるのがおすすめ。
綿は、ロングTシャツやニットセーター、カーディガン、ボトムス等幅広く使われており、コーデュロイなど冬らしい素材感のものもあります。意識して取り入れるだけで、静電気のストレスをぐっと減らすことができますよ。
②同じ素材同士を組み合わせる
同じ素材や同じ帯電列(マイナス/プラス)同士で組み合わせれば、静電気を防止することができます。
例えば、アクリルのニットセーターを着るときに、レーヨン(異なる帯電列)のブラウスを下に着るのは避け、ポリエステル(同じ帯電列)を選ぶ、といったような素材選びを心がけるとグッド!
特にアクリル・ポリエステルは、静電気が起こることによって毛玉も発生しやすくなるため、異なる帯電列にある素材との組み合わせはできるだけ避けましょう。
③小物との組み合わせに注意する
冬になると出番が増える小物類。洋服と同じく、組み合わせを工夫することで静電気を軽減することができますよ。
《帽子/マフラー》
髪の毛と触れる帽子やマフラーはウールなどの天然繊維を選ぶのが吉。
髪の毛はプラスに帯電しやすい特徴を持っているため、ポリエステルやアクリル素材が近くにあると、静電気が起こりやすくなってしまいます。
ちなみに、髪の毛を十分に保湿し乾燥を防ぐことも静電気対策になりますよ。
《タイツ・ストッキング》
冬に欠かせないタイツやストッキングは特に静電気を感じやすいですよね。実はタイツによく使われるナイロンと、ボトムスに多いポリエステルは相性が悪いのです。
そんなときは綿のペチコートを挟んであげると◎。綿素材が帯電しやすい素材同士のつなぎの役割を果たしてくれますよ。
静電気防止加工付きのタイツも販売されているので、そうしたグッズを活用するのも良いでしょう。
《下着》
下着類も綿素材などの天然繊維がおすすめ。
混紡素材の下着を着る場合は、綿のTシャツやシルクのブラウスを挟んであげると良いでしょう。
<番外編>黒っぽい服を避ける
服の静電気によってほこりなどが吸着しやすくなるため、黒い洋服は明るい色の洋服よりも目立ちます。
静電気が気になりやすい方や、摩擦の激しい行動をする時は白っぽい服を選ぶのもポイントです。
5:これで安心。静電気の対策方法<柔軟剤、スプレー等>
ここでは簡単に静電気対策ができる方法をご紹介します。衣類の組み合わせ方と一緒に、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
①柔軟剤
衣類をふんわりと仕上げてくれる柔軟剤。実は、静電気を防止する効果も兼ね備えているのです!
柔軟剤に含まれる陽イオン界面活性剤は、空気中の水分を吸着して衣類表面に膜をつくり、自然放電をうながす働きをします。
柔軟剤によって衣類がコーティングされ生地の表面がなめらかになることで、上着や下着との摩擦をおさえることもできますよ。
ただし、柔軟剤はあくまで衣類を加工する役割のため、使いすぎると生地本来の風合いを損なってしまいます。数回に1回ぐらいの頻度で使うようにするのがおすすめです。
また、香りが強いものは避けるのがベター。柔軟剤の匂いづけとして使用されている成分は、人によって肌に影響を与えたり香害となる可能性があります。
★柔軟剤についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓
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DAILY CONDITIONER / 柔軟剤
クリーニング業界で高級衣料の風合い改良剤として、10年以上に渡り販売してきた実績のある柔軟剤です。気持ちいい肌触りに思わず素肌で感じたくなるほどのふわふわ感。弱酸性コラーゲンを配合し、抗菌・防臭効果で臭いも気にならずに衛生的です。
②静電気除去機能がついた洋服ブラシ
洋服をケアすることのできる洋服ブラシ。ブラッシングをすることで、繊維の絡み合いをほぐし摩擦を起こしにくくするため、ちょっとした静電気対策にも効果的です。
ただし、電気を逃す効果はないため、静電気が起こりやすい生地の対策には少し頼りないのが正直なところ。
そんなときおすすめしたいのが、静電気除去機能がついた洋服ブラシを活用すること。洗えないお洋服の静電気対策にも◎。
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DAILY BRUSH / 衣類用ブラシ(静電気除去機能付)
大正創業、浅草の馬毛歯ブラシで有名な、かなや刷子さんに別注した馬毛と導電性繊維素材の混毛を使用した洋服ブラシ。静電気を除去することにより、花粉やホコリの付着も抑えることが出来ます。
③静電気防止(除去)スプレー
静電気によって着ている衣類が体にまとわりつく場合は、出掛ける直前に静電気防止スプレーをすることで解決できます。
スカートやコートの裏地、タイツなど、摩擦が生じやすい部分に、10秒ほどスプレーするだけでOKなお手軽さが魅力です。
ただし、肌への刺激が強い成分が使用されているケースもあるため、事前に成分表示を確認しておきましょう。
また、静電気防止スプレーは簡単に手作りすることもできます。作り方はドラッグストアで手に入るグリセリン4,5滴と水100mlを混ぜるだけ。
自宅にあるものだけで作りたい方は、界面活性剤が含まれる柔軟剤やコンディショナーリンスを使用しても良いでしょう。
④クリーニング店の静電気防止加工
クリーニング店に出す際、一緒に静電気予防加工をしてもらうのもおすすめ。スプレーなどと同様、帯電を抑制することができます。
⑤こまめに静電気を逃す
帯電体質の方は、電気を通しやすい金属のドアノブなどを指先で触ってしまう前に、電気を通しにくい地面や壁などを触るなどの、静電気の逃し方も取り入れてみると良いでしょう。
6:まとめ
いかがでしたか?
知っているようで、見落としがちな洋服の素材の組み合わせ。プラスとマイナス、反対の性質を持つ素材同士を組み合わせないことがポイントです!
ぜひ、これからの冬のショッピング・コーディネイト選びの参考にしてみてくださいね。
柔軟剤などの便利なアイテムの力も借りたら、静電気対策は万全。来たる冬本番に備えましょう!