ファッション誌やメディアを見ていると「シアーな」「シアー素材の」という言葉を見かけることがあります。薄く、いわゆる「透け感」のある素材を指すニュアンスですが具体的な意味が気になる方もいるでしょう。当記事ではシアー素材の解説や、似ている素材との使われ方の違いを解説します。後半ではおすすめの洗濯方法やお手入れ方法も紹介するため、ぜひご活用下さい。
目次
1:シアー素材とは?
シアー素材は透き通るように薄い素材を指す用語です。「sheer」という言葉には「透ける」という意味があります。ここではシアーと混同されがちな用語を5つ紹介します。
シースルーとの違い
シースルーはシアーよりも透け感の強い素材を指す傾向があります。シースルーはシアーよりも古くから使われる表現と言われています。また、シアーはメイクにも使われる表現ですが、シースルーはアパレルでのみ使われる表現という違いもあります。
オーガンジーとの違い
オーガンジーは薄手で針のある生地を指します。透け感はあるものの、シースルーと表現される生地ほどの透け感がありません。独特の光沢と弾力があり、つるりとした手触りが特徴的です。元々は綿を使った織物でしたが、近年はポリエステルやレーヨンを使ったもの、シルクを使ったものなどもオーガンジーと呼ばれています。そのツヤ感から、ドレスやパニエ、コスプレ衣装などに活用されています。
シフォンとの違い
シフォン素材はふわりとした軽い生地感がシアーと共通しています。エレガントに魅せる生地として知られ、ウエディングドレスやブラウス、ランジェリーに使われる機会が多くあります。ふんわりとした生地であるものの、シワになりにくい点が特徴的です。
チュールとの違い
チュールは多角形の網目になっている生地で、ウェディングドレスのベールや帽子のアクセサリー、カーテンなどに使われています。基本的にアクセントとして使われる機会が多いものの、その柔らかな素材から着用感とデザイン性の高さが特徴のチュールスカートが流行したこともありました。かつて絹製品がメインだったチュールも現在は綿やナイロン、ポリエステルなどさまざまな素材で作られる機会が見られます。
楊柳との違い
楊柳(ようりゅう)はしぼりのようなデザインが特徴的な生地です。綿や綿麻で作られることが多く、畳んでもシワになりにくく弾力がある点が特徴的です。涼しげな印象を与えることから夏場のスカートやワンピースに使われる機会が多くフォーマルにもカジュアルにもぴったりです。速乾性や通気性があるためストレスを軽減して楽しめる素材でしょう。
2:シアー素材の洗濯は3つのポイントを守ろう
ここからはシアー素材を使ったアイテムのお手入れについて、注意点を3つ紹介します。
ドライクリーニングがおすすめ
シアー素材は透け感が特徴的ですが、洗濯時は丁寧な扱いが必要です。他の洗濯物と一緒に洗うと破れてしまったり、シワになったりすることもあるでしょう。シアー素材の服は基本的にドライクリーニングがおすすめです。シワを防いで長くきれいに保てるでしょう。
自宅で洗う場合は手洗いがおすすめ
クリーニングに出す場合、費用や手間がかかると感じる方もいるでしょう。もしもドライクリーニングに出せない場合や、部分的なシアー素材を使った服の場合は自宅で手洗いも可能です。洗濯機を使うときれいな仕上がりにならないため、容器に洗濯液を作って手洗いしましょう。少し手間がかかりますが、費用を抑えてケアできます。
アイロンは低温
シアー素材の服において「シワが気になる」という方もいるでしょう。また、普段からすべての洗濯物にアイロンを掛けている場合「シアー素材にもアイロンは使えるのかな」と悩みます。服の洗濯表示を見て、使える場合は低温でアイロンがけを行いましょう。また、アイロンが禁止の場合は使用を避けます。また、アイロンがけの際はあて布をすると溶けや服の傷みを軽減できます。
3:シアー素材の洗い方
ここからはシアー素材の洗い方を紹介します。ドライクリーニングを推奨するシアー素材ですが、自宅で手洗いも可能です。これから紹介する流れや注意点を押さえて丁寧な洗濯を行いましょう。
①ぬるま湯に洗剤を溶かす
シアー素材のアイテムを洗う場合、30〜40℃のぬるま湯を張った洗面器や桶におしゃれ着用の洗剤を溶かします。洗剤を入れすぎるとすすぎきれず黄ばみや肌荒れの原因になるため、適量をよく溶かしましょう。
②押しながら洗う
洗濯液の中にアイテムを入れ、優しく水分を含ませます。この時、こすり洗いでなく押しながら洗うことが大切です。汚れが気になるからとこすり洗いをすると摩擦で部分的に破れたり傷みの原因になったりします。
押し洗いを行ったら、同じぬるま湯ですすぎます。すすぎは泡がなくなるまで繰り返します。すすぎ終わったあとは水を抜いて、優しくしぼりましょう。柔軟剤を入れる場合も適量を守ります。
③脱水は控えめに
シアー素材のアイテムについて、脱水は控えめに済ませましょう。軽い素材の場合は軽く絞り、バスタオルで水分を拭うとダメージを軽減できます。洗濯機で脱水する場合はネットに入れて、軽い脱水に留めましょう。脱水が終わったら陰干しをして乾かします。
服が乾いたら、ハンガーにかけてつり干しがおすすめです。畳むとシワになりやすくなるため吊るしておきましょう。

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デリケートで大切な洋服の素材に多いウールやカシミヤ、シルクなどにお使いいただけるオシャレ着用洗剤です。弱酸性の効果でしっとり柔らかく仕上がります。
4:シアー素材が使われるアイテム
ここからはシアー素材を使ったアイテムを紹介します。シアー素材はさまざまなアイテムに使われているため、上手に取り入れてファッションを楽しみましょう。
スカート
シアー素材を使ったスカートは、上質さとさわやかな印象を与えます。淡い色合いのシアースカートは夏のオフィスカジュアルにおすすめです。また、Tシャツとあわせてカジュアルな着こなしもできるでしょう。部分的にシアー素材を使ったアイテムも見られるため、挑戦しやすいといえます。
ブラウスやカーディガン
ふんわりとした印象のシアー素材はブラウスやカーディガンなどトップスにも使われています。デニムのボトムスと合わせて甘辛なスタイルもいいでしょう。
なお、カーディガンの洗い方は下記でも紹介しています。あわせてご覧ください。
ワンピース
夏場に活躍する薄手のワンピースにもシアー素材のものが多くあります。シアー素材のマキシ丈ワンピースはリゾートにもぴったりです。1枚でサラッと着られ、かつかさばらないため旅行にもおすすめです。小花柄や大判の柄などバリエーションが豊富です。素足での着用が気になる場合は、レギンスと合わせるのもよいでしょう。
5:まとめ
シアー素材はさまざまなアイテムに使われており、透け感を活かして素敵な着こなしを楽しめます。洗濯には少しコツが必要ですが丁寧に扱うことで長くその特徴を活かしながら茶葉できるでしょう。今回紹介したポイントを意識して、シアー素材を使ったおしゃれを楽しみましょう。