お洗濯情報 vol.6

2022年 3月号

ゴムの様な優れたストレッチ性、 シワになり難く、軽くて丈夫な万能素材。

今回は洗濯のネタではなく、少し趣向を変えて素材のお話をしようと思います。

みなさん、スニーカーはお持ちですか?あるいはストレッチ性のある衣類(機能性インナーやスポーツウェアなど)はいかがですか?

恐らく多くの方がこの様なアイテムを誰でも1つはお持ちかと思います。これらの素材に多く使われているのが『PU/ポリウレタン』です。この素材はスニーカーであればクッション性があり、軽く丈夫なのでのソールやインソールに使われ、また衣類であればストレッチ性がありシワになりにくいので、日常着やスポーツウェアなど様々な物に多用されています。また液状にしてコーティングすることで、合皮と言われる生地に革のような風合いと防水効果を付与することができ、加工しやすくとても重宝される素材ですが、その反面デメリットもあります。

今回はその『PU/ポリウレタン』のデメリットの事例と併せて、ケアの方法もお伝えしたいと思います。

PU/ポリウレタンのデメリットは?

メリットばかりと思われる『PU/ポリウレタン』ですが、実はデメリットがあることをご存知ですか?化繊なので静電気が起きやすいという性質もありますが、その中でも一番の気をつけなければいけない特徴が・・・

【経年劣化】です。

使用環境によって寿命は前後しますが、通常2~3年と言われています。着用しなくても劣化は進むので、久しぶりに着たらヨレヨレになったり、ベタベタしていたりと使われているアイテムによってトラブルの事例は様々です。

基本的には湿気(水分)が苦手ですので、その点に注意することがポイントとなります。そうすることで着用する寿命を伸ばすことができます。

 

①スニーカーの事例

久しぶりに履きたくなったスニーカー着用して外出。ところが途中でソールがごそっと取れたり、ボロボロになって履けなくなってしまった。。またいつの間にかインソールがベタベタになっていたり。

これは【加水分解】といわれる現象で、スニーカーによく見られる事例です。この状態になってしまうと、ベタベタは除去できたとしても通常は、復活できません。

 

 ☆ケア方法 
加水分解は水分と反応して起こります。つまり湿気に気をつけることで、寿命を延ばすことが可能になります。雨の日に履いたら、水分を拭き取ってから風通しの良い場所で木製(ニス無し)のシューキーパーを入れて保管する。また靴箱に湿気取りを置くのも良いです。長期保管する場合は、ジップロックに湿気取りと一緒に入れておくと◎です。

 

②シームレスの事例

近年多くなってきたシームレスのアイテム。代表的なのがダウンジャケットですね。

シームレスというのは無縫製(針で縫わない)で、ボンディング(熱圧着)で仕上げることです。針穴がないので保温力があり、水の侵入も防ぐことができるメリットがあります。

反対にデメリットとしてボンディングした箇所が経年劣化 (2〜3年)で剥離をし寿命を迎えてしまうという点があります。

またクリーニングではドライクリーニングができず金額が高額になる傾向や、断られる場合があるという点です。

 

 ☆ケア方法 
着用後は風通しの良い場所に保管して、雨などで濡れた場合は良く拭き取りましょう。

 

③スポーツウェアの事例

 伸縮性のあるので、多くのスポーツウェアに多用されていますが、こちらも寿命を迎えるとポリウレタンの繊維が切れてしまい、伸び切った状態のままとなってしまいます。

 

 

まとめ

いかがでしたか?ポリウレタンを使用・加工したものは全般的に湿気がダメージとなります。出来るだけ早めに乾燥させて、保管する場合は乾燥剤と併用するなど【しっかり乾燥させること】をポイントとして覚えておいてください。
ただし乾燥させようとしてアイロンや乾燥機を使うことはNGです。水分と同様に熱もまた『PU/ポリウレタン』の弱点となりますので、ご注意ください。
防水スプレーをすれば水から遠ざけることができるのでおすすめですが、使用できないアイテムもありますので、使い方にはご注意ください。