
レインコートやスポーツウェアに用いられるゴアテックス素材ですが、実はアイテムによっては洗濯に向いていない場合があります。ゴアテックスはポリエステル素材のレインコートと違って機能性に優れる一方で、購入価格が高いアイテムです。
せっかく買った以上、長く使っていきたいと考える方も多いでしょう。当記事では、ゴアテックス素材のアイテムを長持ちさせるための洗い方と、重要な要素である撥水機能の復活方法について解説します。
目次
1:ゴアテックスとはどんな素材?

そもそもゴアテックスとは、防水性・透湿性・防風性を兼ね備えた高性能素材です。ポリテトラフルオロエチレンという素材をベースに微細な孔を構成することで、高い機能性を発揮します。この特殊な繊維構造により「水分を通さず水蒸気だけを逃がす」といった機能を実現しているのです。
ゴアテックス素材は、主にアウトドア用のレインコート・ジャケット・シューズ・手袋。スポーツウェアといった用途に使用されており、アウトドアシーンだけでなく通勤やちょっとした買い物に使う方も珍しくありません。
2:ゴアテックスの適切な洗い方

こちらでは、ゴアテックスの適切な洗い方について紹介します。ゴアテックス素材の衣類は非常に性能が優れているものの、洗濯の方法を間違えると優秀な機能を失いかねません。ゴアテックス素材を洗濯する際は、以下の点を意識しましょう。
0.事前にチェックするポイント
ゴアテックスを洗濯するときは、まず洗濯表示を確認しましょう。一口にゴアテックスといっても、ゴアテックス素材の上下に使われている素材やメーカーによって、洗い方の条件が異なります。ゴアテックス素材でチェックするポイントは、以下の2点です。
- 洗濯機の使用ができるか
- ドライクリーニングに対応しているか
ゴアテックスアイテムの多くは洗濯機の使用に対応していますが、一部で手洗いのみ対応のものも存在します。また、水を使用しない洗濯方法である「ドライクリーニング」はゴアテックスの表面に使われているコーティングが溶剤で剥がれる可能性があるため、基本的には推奨されていません。いずれにしても、洗濯表示に従って洗うのがベストです。
1.洗濯方法
洗濯表示で洗濯機の使用がOKな場合は液体洗剤を使用できますが、使用量は少なめにしましょう。また、お湯の温度は洗剤が繊維から抜けやすいよう、40℃以下のぬるま湯が適切です。ただし、ゴアテックス素材を洗濯するときに、以下の洗剤は使ってはなりません。
- 粉末洗剤
- 漂白剤
- 柔軟剤
- 染み抜き剤
上記の洗剤は、ゴアテックスの繊維に成分が残りやすく、品質の劣化や色落ちなど悪い影響を与える可能性があります。なお、ファスナーはすべて閉じておくと素材の痛ませずに洗濯できます。
また、すすぎは最低でも2回行いましょう。ゴアテックスの繊維は複雑なため、普通の衣類よりもすすぎの回数と時間が多くかかります。脱水時間も長時間かけると繊維を傷つけてしまうため、脱水はあまり時間をかけず、軽く行う程度に済ませるとよいでしょう。
2.乾燥方法
ゴアテックス素材のアイテムを乾かすときは、基本的に直射日光が当たらない日陰での陰干しがおすすめです。直射日光はゴアテックス生地の劣化につながりやすいため、基本はNGです。
なお、乾燥機は原則として使用を推奨されていませんが、洗濯表示で乾燥機の使用がOKと記載されていれば問題ありません。ただし、使用時は高温ではなく中温程度(60度程度)に設定しましょう。高温だとドライクリーニングと同様に表面のコーティングが劣化するため、基本的にはNGです。
3.撥水剤の使用方法
ゴアテックス素材のアイテムを長年使用していると、どうしても徐々に撥水性能が落ちてしまいます。雨の日に水をはじかなくなったと感じるときは、市販の撥水剤の使用を検討しましょう。
しかし、撥水剤にも多数の種類が存在します。ゴアテックスに使用する際は、ウォッシュインかスプレータイプのものを使用しましょう。アイテムによっては洗濯表示や商品説明にて撥水剤の使用方法が説明されているため、使う撥水剤と使用手順は記載されている方法をお守りください。
また、ゴアテックス生地の乾燥時は高い温度で品質が劣化してしまう一方で、撥水性能を復活させるためには高い温度が効果的とされています。もし生地の撥水機能が落ちてきたと感じる際は、乾燥後やアイロン、ドライヤーを使って撥水機能を復活させましょう。撥水機能の復活については後述します。
3:ゴアテックスの撥水機能を長持ちさせるポイント

ここからは、ゴアテックス素材の撥水機能を長持ちさせるためのポイントを紹介します。前述したように、ゴアテックス素材は熱に弱いものの、撥水機能を復活させるためには高い温度が効果的とされています。長年の使用により撥水機能が落ちてしまうのは避けられませんが、撥水性能が落ちていると感じるときには以下の方法をお試しください。
乾燥機を使用する
ゴアテックス素材は、洗濯・乾燥後に熱処理をすることで撥水性能がある程度回復します。撥水機能を復活させる方法は、主に「乾燥機」と「アイロン」の2種類ですが、どちらが適切かは洗濯表示を確認する必要があります。
なお、乾燥機の使用は濡れている状態ではなく、乾いたと確認できた上で行わなければなりません。
乾燥機を使う場合は、通常の乾燥が終了した後に乾燥機のなかで20分ほど追加で温風乾燥させます。なお、乾燥機での上限温度も洗濯表示に記載されているため、規定の設定温度を超えないように気をつけましょう。
アイロンがけをする
ゴアテックス素材の撥水機能は、低温でアイロンがけを行うことでも復活します。設定温度は低温で、スチームは使用しません。直接アイロンをかけると熱の通り方にムラができるため、必ず当て布を使用しましょう。
ただし、アイロンの使用が禁止されているアイテムも存在します。上限温度も含めて洗濯表示にて確認できるため、表示内容を守ってアイロンをかけましょう。
4:ゴアテックスを洗濯する際の注意点

ここからは、ゴアテックス素材のアイテムを洗濯する際の注意点について解説します。ゴアテックスアイテムは洗濯表示を守るのが大切ですが、表示内容以外にも以下の点にご注意ください。
洗剤が衣類に残らないようにする
前述したように、ゴアテックスは通常の衣類よりも洗剤が生地に残りやすい素材です。洗剤が繊維に残ったままだと、残った成分が汚れと同じように働きをしてしまい、撥水機能が著しく損なわれてしまいます。そのため、市販の液体洗剤を使う場合は通常よりも薄めにして、水温はぬるま湯程度で行いましょう。また、すすぎの回数を増やすのも効果的です。
洗剤残りが心配な場合は、中性洗剤が安心です。ただし、中性洗剤の種類によっては漂白剤や蛍光増白剤といった成分が含まれているため、事前に成分表を確認したうえで使用しましょう。
脱水により洗濯機が故障する
ゴアテックスは撥水機能により水を通しにくい性質を持ちますが、一度水を通すとなかなか外側に抜けない特性があります。そのため、ほかの衣類と一緒に脱水を行った場合、ゴアテックスだけ必要以上に時間がかかってしまうかもしれません。
無理に脱水時間を伸ばすと、洗濯機に過剰な負荷がかかり、故障や事故につながる可能性があります。脱水は短時間に抑えておき、基本は陰干しで乾燥する形にしましょう。
汚れがひどい場合は手洗いする
ゴアテックスアイテムはアウトドアシーンでよく使われるため、土汚れが付着してしまうケースも珍しくありません。とくにキャンプや登山で使用する場合は、高確率で泥水がアイテムに付着してしまいます。
土や泥の汚れは、水にも油にも溶けない「不溶性」に分類されます。付着した場合はすぐに手洗いせず、まずはブラシを使って混じった砂や大きな汚れを取り除いておきましょう。
軽微な汚れであれば水で軽く落とした後に洗濯機を使用しますが、汚れがひどい場合は手洗いをおすすめします。手洗いする場合は40°C程度のぬるま湯を使い、優しく押し洗いしながら汚れを落としましょう。
5:ゴアテックスの洗濯頻度の目安

ゴアテックスの洗濯頻度は通常の衣類と同様の間隔で行うのがおすすめです。基本的には通勤や買い物など短時間での使用の場合は洗濯は必要ありませんが、丸1日使った場合は洗濯するとよいでしょう。
また、雨水には汚れにつながる成分が含まれているため、そのまま乾かさずに使用後は雨水をよく払いましょう。
6:まとめ

ゴアテックス素材のアイテムはメーカーや衣類のタイプによって、洗濯表示の内容が大きく異なります。
「洗濯すると撥水機能が劣化してしまう」というイメージを抱かれる方も多いですが、基本的に洗濯表示と当記事の方法を守っていれば品質を落とすことはありません。撥水機能も熱処理である程度復活させられるため、長く使っていくなら使い方だけでなく洗い方にも気をつけるとよいでしょう。
