シーツは睡眠にかかせないものです。人生の3割は睡眠といわれるほど、睡眠に時間を費やしています。こだわって麻(リネン)シーツを買ったのに「正しい洗い方がわからない」という方もいるのではないでしょうか。麻シーツはリネンの特徴を押さえて洗濯すると、ダメージを少なくして綺麗な仕上がりにできます。
今回は麻(リネン)シーツの洗い方について紹介します。正しい洗濯方法をマスターして、快適な睡眠時間にしましょう。
目次
1:麻のシーツとは
麻のシーツはリネンとも呼ばれ、その手触りの良さで古くから親しまれています。なお、リネンは「フラックス」というアマ科の植物の茎から作られています。この植物はフランス北部やベルギー、オランダ、ロシアなどの特定地域でのみ栽培されています。
また、リネンのもととなるフラックスは連作をしないため、収穫量に限りがある点も特徴的です。しかし、肥料や除草剤がなくても栽培しやすいため、環境に優しい植物としても注目されています。
なお、リネンの歴史は、紀元前8000年前からと古く、「人類最古の繊維」とも呼ばれています。古代ギリシャや古代ローマでは、上流階級が純白のリネンを使っており、古代エジプトでは、ミイラを巻くために使われていたようです。織物産業や技術発展が12世紀に行われ、身近な存在へと変わっていきます。
2:リネンシーツの種類
麻にはリネン以外に、ミラーやジュート、ヘンプなど20種類もあるといわれています。麻は種類により繊維の特徴が異なるため、特徴に合わせて加工されます。麻の中でもリネンは、洋服やタオルなど肌に触れる製品が多い傾向にあります。
リネンは主に、「アイリッシュリネン」「フレンチリネン」「コットンリネン」「ストレッチリネン」の4つの種類に分けられます。
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アイリッシュリネン
リネンの中で最高品質といわれています。アイルランド産のリネンで、アメリカで主流となったため、この名がついたようです。摩擦に強い特徴があるため、衣類のほかにバックにも加工されます。 -
フレンチリネン
フレンチリネンとは、フランス産のリネン生地のことです。上質なフレンチリネンは透けにくく、肌触りがよいといわれています。そのため、ブラウスやワンピース、下着などに多く使われています。 -
コットンリネン
リネンと通気性とコットンの吸水性を兼ね備えた生地です。赤ちゃんの肌着に使われることが多く洗濯にも強いため、使い勝手がいいという特徴があります。 -
ストレッチリネン
ストレッチリネンは、ポリウレタンとリネンの混紡生地です。伸縮性のないリネンに、伸縮性のあるポリウレタンを混紡することで、動きやすいやわらかい生地です。そのため、ボトムスに多く使われます。
3:リネンシーツの特徴
リネンの特徴は次の通りです。
- ダメージに強い
- 汚れにくく抗菌性に優れている
- 吸水性・速乾性がある
- 毛羽立ちしにくい
- 熱で縮みやすい
- 肌触りがよい
リネンは濡れると丈夫さが増すため、洗濯のダメージに強い特徴があります。なお、リネンの繊維には「ペクチン」という成分が含まれているため、汚れがつきにくいという特徴もあります。
さらに、リネンは、吸水性が綿の4倍といわれていますが、空洞も多いため風が通りやすい仕組みになっています。そのため、吸水性もありつつ速乾性にも優れているのです。リネンシーツは年間を通して使用できますが、吸水性や速乾性があるため、特に夏はおすすめです。梅雨から寒くなる前の10月くらいまでの使用がよいでしょう。チクチクしにくく肌触りがなめらかなため、好んで使う方も多い生地です。
リネンを扱う際は、特徴を理解して扱うと品質を保って使用ができるでしょう。
4:麻(リネン)のシーツの洗濯方法
リネンの特徴を理解したところで、ここからはリネンシーツの洗濯方法についてご紹介します。
洗い方
リネンシーツを洗濯するときは、畳んでネットに入れるようにしましょう。畳んでネットに入れることで摩擦によるダメージが軽減でき、シワにもなりにくいのです。衣類と一緒に洗濯も可能ですが、色移りを避けるために、シーツ単体か枕やかけ布団カバーなどの寝具類だけで洗濯することをおすすめします。
脱水・乾燥
リネンはシワになりやすい生地のため、脱水をかける際は20秒程度にしましょう。リネンは速乾性に優れているため、長時間脱水しなくても効果はあります。
リネンは水分の発散に優れており、熱で縮みやすい特徴があります。リネンシーツを乾燥機にかけるとシワや縮みの原因となります。ダメージに強いリネンでも乾燥機にはかけないようにしましょう。リネンは短い繊維のため、乾燥機にかけると毛羽立ちや生地が痛み、肌触りが悪くなってしまいます。また、乾燥機の摩擦により毛羽立ちが起き、白っぽく見えてしまうこともあるでしょう。
アイロンはかける?
リネンシーツにアイロンをかける際は、生乾きか霧吹きで湿らせてからかけるようにしてください。アイロンの底面温度を150℃までとし、あて布を使用しましょう。テカリを防ぐ為にも、軽くおさえるようにかけます。布が重なっている縫い部分は、押し付けすぎないようにしましょう。少しの工夫でシワのない快適なシーツにできます。
シーツによっては、アイロンがかけられないシーツもあるため、アイロンをかける前に洗濯表記を確認しましょう。
参考までにアイロンは下記3つがあります。
- ドライ
- スチーム
- 霧吹き
シワを抑えたい場合は霧吹きで水分を含ませる方法を行うときれいに仕上がるでしょう。
保管方法
シーツは直射日光が当たらない場所で保存しましょう。さらに、しばらく使用しない場合は通気性のよい場所で保管がおすすめです。また、長期間保管する場合は、ダニやカビを防ぐためにも、防虫・防カビ剤を使用するのがおすすめです。
なお、保管する場合は防虫剤の成分は空気より重く上から下にいくため、衣類などの上部に置くのがおすすめです。
コインランドリーを使用する場合
シーツは他の寝具とともにコインランドリーで洗濯したい方もいるでしょう。しかし、リネンは乾燥機の熱に弱いためコインランドリーでの洗濯はおすすめできません。シーツがリネンの場合は自宅で洗濯を行いましょう。
5:洗濯する際の注意点
ここではリネンシーツを洗濯する際の注意点をご紹介します。洗剤やベストな水温、シワ対策など、押さえておきたいポイントがあります。リネンシーツを洗濯する際はご参考ください。
洗剤
リネンシーツを洗濯する際は、無蛍光の洗濯洗剤を使用しましょう。デリケート用洗剤があればそちらを使用します。なお、漂白剤や蛍光増白剤の使用は、リネン本来の色合いが損なわれる可能性があるため避けてください。
なお、蛍光増白剤が入った製品は普段何気なく使っている可能性もあるため、一度チェックしてみるのも良いでしょう。

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水の温度
リネンは熱で縮みやすいため、水温を高くしてしまうと縮む可能性があります。洗濯をする際は水やぬるま湯で行いましょう。また、すすぎ残しがあると黄ばみやシミの原因となるため、押し洗いの要領で丁寧にすすぎましょう。
シワ対策
リネンシーツにシワがつく一番の原因は「脱水」です。理想的な方法は、脱水をかけずに水が滴るほど濡れた状態から乾かすと、水の重さで生地が伸びてシワになりにくいためおすすめです。リネンシーツも傷めずに、綺麗に乾かせるでしょう。直射日光は色あせの原因になるため、風通しのよい日陰に干してください。
6:まとめ
麻(リネン)は「人類最古の繊維」といわれるほど、長年愛されてきた生地です。リネン特有の手触りの良さを長く保つためには、ただしい洗い方と丁寧な扱いが大切です。手触りがよい反面、リネンは熱に弱いため、乾燥機の使用や水温には注意しなければなりません。そして脱水がシワの一番の原因となるため、使用は最小限にしましょう。
長持ちで汚れにくい、そして肌触りがよいなどリネンシーツは良さが多くあります。枕カバーや掛け布団カバーもシーツに合わせてリネンするのもよいでしょう。正しい洗い方をして、快適な睡眠環境を作りましょう。