お洗濯情報 vol.3
2021年 12月号
気温が下がり、空気が乾燥する冬、それは生乾き臭(部屋干し臭)が発生しやすい季節が到来したということ。
秋が過ぎ去り、あっという間に季節が冬に変わってしまったこの頃。朝晩の気温がぐっと下がり、空気も乾燥していますよね。『空気が乾燥しているから、洗濯物が乾きやすい!?』と思っている人もいるのではないでしょうか?
答えは『NO』です。洗濯物を乾かすためには、『温度が高く、湿度が低い』状態がベスト。温度が高いと、空気中に取り込める水蒸気の量が多いため洗濯物が乾きやすいのです。
ちなみに梅雨の時期は気温が高いのですが、湿度も高い状態なので、洗濯物が乾きにくいんですね。冬は空気が乾燥していますが、気温が低いため空気中に水蒸気を取り込める量が極端に少なくなっているので、乾きにくいんです。
となると問題になるのは・・・もちろん生乾き臭(部屋干し臭)ですよね。臭いが発生する理由はいくつかありますが、今回は臭いを発生させない方法や、除去する方法をお伝えしたいと思います。
※気温とは外気温をさし、温度とは室内温度をさします。
生乾き臭の原因は?
生乾き臭(部屋干し臭)の原因となるのは細菌です。その菌はモラクセラ菌と言い、花王と愛知学院大学の研究により突き止められました。
モラクセラ菌は皮脂などの汚れや水分、すすぎ不足によって残ってしまった洗剤カスを餌として繁殖します。そしてその菌が繁殖した際に排泄する代謝物が臭い元になります。代謝物とは糞にあたり、いわゆる『モラクセラ菌のウンチ』が生乾き臭(部屋干し臭)の原因になります。
さらにモラクセラ菌が厄介なところは、一度繁殖した状態になると普通の洗濯では取り除くことができないということ。しかも乾燥や紫外線に強い性質を持っているので、日光で乾燥させた後も衣類の中に潜んでいます。そして服を着た際につく汗や皮脂をエサにして菌が再び増殖し、繰り返し臭うんですね。。
では、次は嫌な臭いを発生させないコツを説明します。
衣類を臭わせないコツ
嫌な臭いを発生させないコツはとてもシンプルで、汚れを全て落とし切ることです。つまり時間と手間をかけて洗濯をすること。でも忙しい毎日に時間を掛けてしっかりとした洗濯なんて、ちょっとハードルが高いですよね。
そんな時は以下のポイントに気をつけることで、生乾き臭(部屋干し臭)の発生を防ぐことができます。
✓洗剤・柔軟剤は使いすぎない
洗剤や柔軟剤を規定の量以上に入れたとしても、洗浄力は決してアップしません。逆に成分が衣類に残りやすくなり、その成分が菌の餌にもなってしまいます。また成分が蓄積することで、その成分自体が臭いの原因になる可能性もあります。
✓すすぎの回数や水量はたっぷり
洗剤や柔軟剤ばかりに注目されがちですが、実は大切な工程が『すすぎ』。洗いは汚れを繊維から剥がす工程、そしてすすぎは剥がした汚れを綺麗な水で薄めて排出する工程です。
また、すすぎの最後の工程で投入される「柔軟剤」。この柔軟剤は洗剤とは逆で、衣類に成分を残す働きがあります。すすぎで汚れが上手く排出されないと、成分と一緒に汚れも衣類に残してしまうんですね。つまりすすぎはたっぷりの水量で行い、最低でも2回以上することが良いでしょう。
✓洗濯物を干す間隔をあける
生乾き臭(部屋干し臭)について『5時間以内』というキーワードがあります。モラクセラ菌は5時間が経過してから爆発的に繁殖し始めます。つまり洗濯が終わってから乾くまでの時間が5時間以内であれば菌が繁殖せず、生乾き臭(部屋干し臭)が発生しにくくなるということです。衣類を干す時は間隔をあけて、扇風機やサーキュレーター等を併用し早く乾かしましょう。
※窓際は結露や空気が滞留しやすいので、干す時は部屋の中央付近が良いでしょう。
✓モラクセラ菌を除菌する
皮脂汚れや洗剤カスが残ってしまったり、5時間以内に乾かなかったとしても、臭いの元となるウンチをするモラクセラ菌自体がいなければ、生乾き臭(部屋干し臭)は発生しません。その為には、菌をしっかりと除菌することがポイントです。除菌する方法は、漂白剤でつけ置きや煮洗い、高温の乾燥等があります。どれも効果的ですが、みな手間と時間がかかるものばかり。さらにデメリット(色あせ・色落ち・縮み等)がありました。
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まとめ
冬は梅雨と同じ様に、部屋干しをする機会が増える季節です。上記の方法を実践して是非、快適な洗濯ライフをお過ごしください。

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