日常的に使う機会の多いボールペン。
コートやシャツの袖、エプロン、ナース服など、うっかりインクで汚すことは誰にでもあるはず。ボールペンをポケットに入れたままにして洗濯してしまうこともありますよね。
ボールペンは洗濯しても大丈夫。汚れの特性(油性・水性・フリクション)に合わせて対処すれば復活させることができます。
うっかりボールペンで服を汚してしまったら、こびりついてしまう前にシミ抜きを始めましょう!
目次
1、ボールペンごとの対処法(水性/油性/フリクション)
ボールペンは、インクの特性によって落としやすさが異なります。
水性のボールペン
水に溶けやすい成分のため、対処は比較的簡単です。
油性のボールペン
油分だけでなく染料や溶剤等が含まれており、服の繊維の隙間に入り込みやすいため、落としにくい汚れです。
しかし、成分の特性を利用すれば十分落とすことができます。汚れが定着してしまう前にすばやく染み抜きに取り掛かるのがとても大切ですよ!
ただし、大量に漏れ出してできたようなシミを落とすことは困難です。大きなシミは余計にインクが広がってしまうことがあるため、その際はクリーニング業者へ持ち込みましょう。
フリクションペン
温度で消えるタイプ。アイロンだけで落とすことができますよ。
2、油性ボールペンの落とし方(付いてすぐ/時間が経った)
上記で解説したように、油性ボールペンは特に落としにくい汚れです。
付いてすぐの汚れは漂白剤を使用しても十分に落とすことができる場合があります。
洗濯してしまったあとや時間が経ってしまった汚れには、アルコールや除光液を使った落とし方をご紹介します。
付いてすぐの汚れ(洗剤・石鹸・漂白剤)
汚れがついてから、すぐに自宅で対処できる場合は洗剤や石けんでもOK。
洗浄力を高めるには漂白剤が良いでしょう。
◎手順
50~60℃のお湯に漂白剤を溶かし、1時間程度浸け置きをしてください。もしそれ以上待っても汚れが気になる場合は、延長するかもう一度付け直してください。
その後はいつも通りに洗濯を行いましょう。
時間がたった汚れ(アルコール・除光液)
◎用意するもの
・消毒用アルコールまたは除光液
・汚れてもいいタオル(2枚ほど)
・ビニール
アルコールは手ピカジェルやエタノールなど、消毒用に使うものでOKです。
除光液を使う場合は、「プロピレングリコール類」が含まれているものを使ってください。
※消毒用アルコールや除光液がない場合、専用の染み抜き剤(PRE SOAP neo/シミ抜き剤)を使うと便利。デリケートなおしゃれ着にも安心して使用できる万能型のシミ抜き剤です。
◎手順
①色落ちしないかチェックする
今回使っていくアルコールや除光液は洗濯用のアイテムではないため、事前に必ず色落ちや傷みがないかどうかチェックしましょう。
また、洗濯表示を確認して「自宅で洗濯可能か・どんな洗い方をすればいいか」を把握しておくことも忘れずに。綿、ポリエステル等であれば問題ないものがほとんどです。
使いたいアルコール(または除光液)を服の目立たない箇所につけ、繊維が傷んだり変色したりしないかを確認します。
異常がなければ洗い流してください。
②ビニールとタオルを敷き、汚れた部分を置く
作業する場所やその周りが汚れてしまわないよう、ビニールを敷いてから染み抜きに移りましょう。
汚れてもいいタオルを敷き、その上に服の汚れた箇所を裏返して置きます。
汚れの裏側からアルコール(または除光液)を染み込ませることで、表面の汚れがタオルに移りやすくするためです。
③アルコール(または除光液)をつけ、タオルでやさしく叩く
汚れの箇所にアルコール(または除光液)をつけ、タオルでポンポンと軽く叩いて染み込ませます。
下に敷いたタオルに汚れが移ったら、タオルの位置を少しずつずらしてきれいな面が当たるようにしましょう。
※火気と換気に注意してください。
④すすぐ
ぬるま湯(40℃くらい)ですすぎ、汚れとアルコール(または除光液)を洗い流します。 汚れが取れていなければ③④の工程を繰り返してください。
ある程度インクが取れていれば、少し残っていても次の洗濯で取り除けます。
⑤洗濯する
普段通りに洗濯をし、染み抜きは完了です。
◎外出時の応急処置方法
除菌アルコールなどをインク部分に数滴たらし、ティッシュでたたいておきましょう。自宅に帰ったら前述した方法で対処してください。
水に濡らすとインクが染み込んでしまい、逆効果になるので注意しましょう。
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PRE SOAP neo / シミ抜き剤
ワイシャツの襟の黒ずみ汚れ、黄ばみ、ズボンの泥はね、作業着の油汚れを除去するシミ抜き剤です。洗う前に汚れに直接塗布することで、ご家庭での洗濯をレベルアップさせてくれます。
中性なので、色柄物やウールにも安心して使用可能です。
3、水性ボールペンやゲルインクの落とし方
衣類が水性のボールペンで汚れてしまった場合は、油性の場合よりも簡単に対処することができます。とはいえ、インクが繊維にこびり付き固まってしまう前の早めの対処が肝心ですよ。
応急処置は水と石けんで
外出先で服を汚してしまった場合は、水と石けんでもみ洗いするだけである程度落とすことができます。
よく石けんでよく泡立て、もみ洗いをしたらすすぎをします。汚れが残っていたら数回繰り返せばOKです。
しっかり洗うなら洗濯用洗剤で
自宅でしっかりと汚れを落とすなら、洗濯用の弱アルカリ性洗剤を使いましょう。
落とし方は石けんの場合と同じ。汚れの箇所に洗剤をつけ、やさしくもみ洗いしてください。汚れがなくなったら他の衣類と一緒に洗濯すればおしまいです。
汚れが落ちにくい場合は、お湯で洗うと効果的です。
4、フリクションの落とし方(アイロンが有効)
最近すっかり身近になり、文房具店では必ず見かけるフリクションインクのボールペン。いわゆる、「消せるボールペン」です。
もしフリクションペンで服を汚してしまった場合は、「アイロンをかけるだけ」であっさり消すことができますよ!
フリクションインクは書いた部分をラバーでこすると消えますが、これは温度差を利用した仕組み。
このインクは60度以上の高温になると色が消え、逆に温度が下がると元に戻る仕組みのため、この仕組みで汚れも消すことができます。
5、布以外の素材についた時の対処法
「ボールペンをカバンの中に入れていたらいつのまにかインクが漏れていた…」「子供が机に落書きをしてしまった…」など、ボールペンは身近な道具なだけにさまざまな場面で汚れを作ってしまいがちです。
ここではインクがついて困る革製品や壁・机など素材の種類ごとに知っておきたいことを見ていきましょう。
・革製品
革や合皮の製品にボールペンの汚れがついた時は落とすのが難しいです。
万が一汚れてしまった場合はクリーニング業者の方に相談するか、諦めて上から同じ色の布などを被せて隠すようにするしかないでしょう。
カバンなどの皮革製品をお持ちの方は、ボールペンで汚れることがないよう特に気をつけて使ってくださいね。
・壁や床、机、椅子
服以外にも、間違えて壁紙や木の机にボールペン汚れがついてしまうこともありえますよね。賃貸の壁や床だと引越し時にも心配です。
衣服で使用したアルコールや除光液は素材を傷める恐れがあるためおすすめできません。
軽い汚れであれば消しゴムやメラミンスポンジ、歯ブラシでこするのがおすすめ。水性の汚れであれば固く絞った濡れ雑巾で拭くと落とすことができる場合も。
とはいえ、力の入れすぎや素材との相性の問題で傷んでしまう可能性があります。なるべく専門の業者さんに相談しましょう。
・プラスチック
もし汚してしまったら、まずは消しゴムを試してみましょう。汚れをなぞるように擦ると、大抵のインク汚れは落とせます。
それでも落ちなければ、布類と同様にエタノールか除光液を使って落としてください。布類よりも簡単に綺麗にできますよ。
・肌
肌についたボールペン汚れであれば、ハンドソープや石鹸で簡単に落とすことができます。
油性インクを早く落としたい時も除光液を使うと◎。皮膚が弱い方はクレンジング剤を使うと良いでしょう。
6、まとめ
使う機会が多いからこそ、うっかり服につけてしまいがちなボールペンの汚れ。
油性の場合は厄介な汚れですが、なるべく早めにアルコールや除光液を使った対処をすることできれいにすることができます。
汚してしまったら、慌てずていねいに染み抜き作業をすれば大丈夫です。
ボールペンは身近な道具だけに、いざという時のために汚れの落とし方を知っておくと役立ちますよ!